percentage11 ページ11
_
「北森君、聞かせてよ」
「…何を?」
先程、死ねだのチビだの云い合った為か、いつの間にか北森から敬語が消えていた。
太宰に対してだけ。
「普通の学生生活だよ。私、どんな物か気になるなあ」
「俺も気になるな」
織田に関しては表情が変わらない。本当に気になって居るのだろうか。
「…あはは。俺のなんか聞いたって何もなんないし…坂口くんの生い立ちの方が気になりません?」
「本当にやめて下さい」
安吾は、面倒な事を僕に振らないで下さいと、北森に視線で訴えた。
「ふふ…安吾はね、実は錬金術で産まれたのだよ。造られし人間なのさ」
「そうなのか?」
「ほら北森君。貴方の所為で始まりました」
何時もの太宰の茶化しと、それを信じる織田。突っ込んでも無駄だと思って突っ込まない安吾。
「あ。そうだったんですね」
信じていない癖に信じたように微笑んで頷く北森。
「北森君信じた?」
「信じた信じた」
「嘘だよ」
嘘だとばらされ、一番ショックを受けていたのは織田だった。
「嘘なのか…」
「嘘に決まって居るでしょう織田作さん」
不覚にも、楽しいと感じてしまった。
これは、この感情は、持ってはいけない物だった。
北森は、ひとり小さく首を横に振った。
「高校生か…。あ!部活?とか入ってるの?」
太宰は、自分には経験のない事を聞いた為、少しうきうきした様子でいた。
「…治くんは、如何して俺にそんな事聞くの?」
「私、高校行かないで就職したからね」
と、太宰は上手い様に質問を躱した。そうして、少し悩んだ後、突然こう云った。
「バレーボール部!」
「…あは、残念」
太宰は少し悔しそうにした後、更に続けた。
「サッカー部!」
「ぶー」
その後、吹奏楽やらバスケットやら、部活にありそうなもので思い当たる物は云ったが、全て外れた。もはや部活をやっていないのでは?
「判った、陸上部だ」
今度は確信を持って太宰が云った。
「うん」
北森は興味無さそうに返事をした。
「陸上部…走るやつか?」
それとは逆に、織田が興味を持って聞く。
「俺の場合は跳びます」
「走り幅跳びか、何かですか?」
安吾も次いで質問する。
「違うよ」
それを否定した太宰が、北森の専門種目を中てる。
「走り高跳び。違うかい?」
_
848人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
χCielχ(プロフ) - 桜月さん» 昔の作品ですが、自分でも書いててすごく楽しかった思い出があります😌キャラの濃い夢主君でしたが楽しんでいただけたようで何よりでございます!出会うことが出来て良かった作品と言っていただけて本当に嬉しいです、見つけてくれて有難うございました! (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - 北森くんと太宰さんの関係が少しせつないけれど、、でも微笑ましくて、、腹黒で太宰さんloveな素の北森くんがとっても最高でした!!本当に涙なしでは読めなくらい感動しました!このような素敵な作品や北森くんに出会うことができて本当に良かったです!大好きです!! (2021年11月18日 21時) (レス) id: 125cb29da4 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - やっさんさん» その三人ともちろん安吾さんも北森の大事な人になっています!!北森はめちゃくちゃ意地悪な子ですへへへへ...!黒の時代のミミックと対峙した所は原作、それ以外は全てオリジナルでございます!約9割ほどがオリジナルかと思われます!続編は完全オリジナルです!!! (2019年9月11日 22時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 北森くんの心を、太宰さん、織田作之助さん、中也さんの、三人でとかす物語ですね。北森くんの性格はおもぃっ切り意地悪のようですね汗。原作沿いのようですが?とりあえずハッピーエンドで続編ですね。余談?マフィアが、マリオカートで勝負って笑笑。 (2019年9月11日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 刹那さん» すすすす全て!?ありがとうございます…!こーくんですか!依存すごいですがありがとうございます嬉しいです! (2019年4月21日 14時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ