▽第53夜 付加魔法 ページ11
『待て!!』
俺は大声を上げた。
ジャミル「?」
『……貴様は私の友を侮辱した。その罪、万死に値する__
____死ね。<降り注ぐ氷槍(サルグ・アルサーロス)>』
氷の槍が幾つも造り出された。が、俺はこんなもので済ませる気はない。
『…<付加・電撃(エンチャント・サンダーボルト)>』
更にその槍に電流を流した。これぐらいやればこいつも死ぬだろう。
因みにこの付加魔法を使えるのは、今のところ俺の一族だけだ。この魔法は物体に耐火や攻撃力アップなどの補助効果を付けることができる。
俺は杖を振り上げ、ジャミルが「うわああああ!!」と叫んでいるのも構わず、振り下ろそうとした。
その時、首に鋭い痛みを感じた。
『……ッッ!!』
手を首に持って行くと、バチッ、と音がした。
その瞬間、俺の怒りと共に氷の槍も、黒い首輪も消えた。
『…俺は…何を…?』
俺が何もわからずにいると、モルちゃんがアラジンに向かって走り出した。アラジンは杖を振り上げ、溜めていた魔力を放つ。それはモルちゃんを捕らえ吹き飛ばし、少し上の柱に縫い付けられた。
アラ「ごめんねおねえさん。少しだけそこにいて」
アラジンは、喜びながらも怯えているジャミルに近付く。…どうするつもりなのだろうか。
俺はアラジンに続いてジャミルに近付き、結末を見ることにした。まぁ、必要とあらば口出しするけどな。
笛を握り締めて震えているそいつに、アラジンはもう一度「笛、返して」と言い、何も言わずに笛を手から抜き取った。ジャミルは、アラジンがそのままスタスタと歩いて行くのを見て、咄嗟に叫んだようだった。
ジャミル「待ってくれ!!話が違うじゃないか!!」
俺はそのままジャミルの隣にいたが、アラジンは振り向いた。
ジャミル「僕を王様にしてくれるんだろう!?僕は待ってたんだ。ずっと待ってたんだ。
君たちに選ばれる今日という日を……」
そこで一度、俺とアラジンを交互に見て、また続けた。
ジャミル「そのために努力だってしたっ!!無能な親父に代わり…人を使い、法を布き、商いを興し、チーシャンの町を一大迷宮都市に栄えさせたのはこの僕だッッ!!どうだすごいだろう!?」
ジャミルは自分を指して必死にそう訴える。
ジャミル「そうだ僕はすごい。僕はえらい。僕はできる男だ!だから僕を…王様に!!!」
自分に言い聞かせるように言っているともとれる言い方だった。
――――――――
長めになるので次へ行きます!→
▽第54夜 王様と巨人→←▽第52夜 軽くキレた…って何この首輪
19人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たいやきorのあ(プロフ) - (名前)さん» すみませんが、今書き直し中です。待っていただけると幸いなのですが、どうしてもというなら「20021109」で閲覧してください。 (2015年12月8日 22時) (レス) id: f0f77c2065 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - すみません、パスワードを教えてください。 (2015年12月7日 18時) (レス) id: 7e07e5fa32 (このIDを非表示/違反報告)
たいやきorのあ(プロフ) - セラリアさん» マジですか…ありがとうございます!頑張りますね!! (2015年11月16日 20時) (レス) id: f0f77c2065 (このIDを非表示/違反報告)
セラリア(プロフ) - 見た途端すぐにコメントしました。お気に入り登録してますから!ヘ(≧▽≦ヘ)♪ (2015年11月16日 20時) (レス) id: 24fb74d998 (このIDを非表示/違反報告)
たいやきorのあ(プロフ) - セラリアさん» そうなんですね…!応募ありがとうございました! (2015年11月8日 21時) (レス) id: fcb678c61b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たいやきorのあ | 作者ホームページ:http://できたら連絡しまっす(`・ω・´)ゞ
作成日時:2015年5月10日 11時