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眼鏡の彼と珈琲と溜息と ページ8

雨森 side


「おや」

『あら』


黒髪にスーツ、特徴的な丸眼鏡に口元の黒子。

内務省異能特務課 坂口安吾さん。


『お久しぶりです。今日は…』

「ええ、お久しぶりです。今日は午後休を頂いたので少し散歩を」

『へぇ、おめでとうございます』


特務課がどれ程ブラックなのかを知っていて、この人がどれ程社畜なのかを知っている私は つい祝ってしまった。

よく見てみれば、目元に隈が……。
休んだ方がいいんじゃないですか?


『あ、そうだ。この後お時間大丈夫ですか?』

「はい、大丈夫ですが…」

『私少し暇で、良ければお茶でもしませんか?』

「是非」


こうして、坂口さんと喫茶店にやってきた。

少し路地を入った 隠れた名店、とでも云おうか。
カラン、とベルを鳴らして店に入ると 珈琲の深みのある香りに包まれる。

窓際のテェブル席に向かい合う形で椅子に腰掛け、私はミルクティー 安吾さんは珈琲を注文した。


ふと、気になった事があった。


『そう言えば、安吾さんって 太宰さんから相当被害受けてますよね』

「唐突ですね……まぁ、受けてますね」

『私もなんですよね』

「……心中お察しします」


お互い苦労人。
はぁ、と溜息を吐きながら愚痴り合う。


『仕事をしない』

「他の人を困らせて清々しい笑顔」

『自由すぎる』

「唐突な無茶振り」

『「場所を選ばないジサツ」』


はぁぁあ……と、ため息が溢れた。


お互いに喉を潤し、頷き合う。


『「今度、被害者の会開きましょう」』


そう言って、固い握手を交わす。
此処に、太宰治被害者の会 が設立された。


────────
リクエストありがとうございます!
この2人なら絶対愚痴になります()

太宰治 被害者の会→←*



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月華(プロフ) - 月瀬さん、お久しぶりです!更新の事は気にせず、ゆっくりと休んでください!大好きな月瀬さんのお体と心方が、凄く大事ですから! (2020年1月27日 12時) (レス) id: 158c59c866 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - 沙世さん» リクエストありがとうございます!ぜひ書かせていただきます! (2020年1月10日 0時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
沙世(プロフ) - 乱歩さんと特大パフェを食べる話が読みたいです。リクエスト失礼します。 (2020年1月9日 23時) (レス) id: c4b11a12c3 (このIDを非表示/違反報告)
月瀬(プロフ) - るをさん» 了解です! (2020年1月8日 12時) (レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
るを - 月瀬さん» できれば中原さんの反応も見たいです。できればなので書かなくても大丈夫です。他はとくにないです。 (2020年1月8日 12時) (レス) id: 2605d8b47c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まふ | 作成日時:2019年11月1日 17時

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