�逎�封筒ト紅イ灯火 ページ18
No side
……冷たい潮風。
暗闇の中 僅かな光に照らされて写るのは
Aの吐いた白い吐息のみ。
ただ、1人静かに 夜の港を眺めていた。
｢……………｣
どうしたのものか。
Aが持っているのは黒い封筒。
その封筒に 差出人の名は無い。
けれど、その手紙が郵便受けに入っていた時
彼女の思考は真っ白に染め上げられた。
『……どうしたものか、ねぇ…』
はぁ、と深く息を吐き出す。
目を逸らしたい現実に嫌気が差しながら。
差出人は 森鴎外。
内容というのは 明日23時に迎えに行くというものであった。
憂鬱に思いつつ、打開策を精一杯考える。
『(真っ向からは確実に負ける…。逃げても無駄…。頼んでどうにかなる相手でもない…。)』
どうすれば、
考えど、考えど、良い策は浮かばない。
嗚呼、どうすれば良いのか。
『(けれど……逃げても頼んでも駄目だ)』
胸の中に、黒い彼の言葉を反芻する。
『(…出来るだけ藻掻く、それしか出来ない。)』
懐からライターを取り出し、火を付ける。
紅い火は黒い封筒に着火すると、瞬く間に焼き尽くしてしまった。
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月瀬(プロフ) - マドレーヌさん» ありがとうございます〜！ (2019年10月9日 17時) (
レス) id: 9a5360aa7e (このIDを非表示/違反報告)
マドレーヌ(プロフ) - 一気読みしてしまいました！とてもおもしろいです(^ー^)大変だとは思いますが更新頑張って下さいp(^-^)q応援しています♪ (2019年10月9日 17時) (レス) id: c84dba5333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月瀬 | 作成日時：2019年9月10日 12時
