呪言師は忍者になりました。【呪術廻戦×NARUTO】 (ページ25)

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24話ページ25

(嫌な日ほど来るのが早く感じるのはなんでだろう？)

棘はあっという間に来てしまった自分の生家に行く日になり気分が沈んでいた。

3代目、カカシ、アスマ、棘、そして調査部隊の数人の忍が狗巻家の門の前に立っていた。

1人ひとりと門を潜る。棘も門を潜ろうとしたが、足が動かない。まるで何か足に鉛のようなものがつけられた気分だ。
いや、足だけじゃない。体全体が鉛のように重い。
体が震える。吐き気がしてくる。

(あぁ、怖い。息がしづらい。あれ？息ってどうやってするんだっけ？)

喉を押さえる。呼吸が乱れてくる。

すると

ポンッ

頭に手が乗る

カカシ「大丈夫だ。大丈夫だから。ほらおいで」

そう言ってカカシは棘を撫で、反対の手で棘の手をギュッと握る。
アスマも3代目も心配そうに、そして安心させるようにこっちを優しい眼差しで見ている。

段々と息が整ってきて、棘は足を踏み出し門を潜る。

(大丈夫。自分にはカカシさんも猿飛さんもアスマさんもいる。大丈夫)

そう自分に言い聞かせるようにカカシに手を引かれ門を潜る

門を潜り、視線を前に向けると、そこはつい数ヶ月前まで自分が住んでた家があった
しかし、その家は以前とは打って変わり陰鬱な雰囲気が漂っていた

綺麗だった庭はボロボロで草が伸び放題
池の水は濁り、魚の死体が浮いている
壁には春一とその母親のものであろう大量の血が染み付いていた

棘「ッ！？」

壁に叩きつけられた、否、自分が叩きつけて殺した春一の姿が浮かんでくる。その光景に思わず吐き気がした。嫌な汗が噴き出る

足が止まった棘の方を見てみると、そこには大量の汗をかき真っ青な顔で壁のシミを見つめる棘が映る

アスマ(たしか、あの壁は！)
「げ、、と、、棘！」

アスマの声にハッと顔を上げれば心配そうにこちらを見つめるカカシと3代目がいた

アスマ「とりあえずこれで顔を拭きな。さっきも言ったが大丈夫だ。やり方はちょっとキツイが、これはお前があの出来事を乗り越えるためにもなるはずだ。だから、耐えろ棘」

厳しいことを言っているがアスマのその顔は歪んでいる。まるで自分が殴られたような、傷ついた顔をしている。

アスマもわかっている。酷なことを言っているのは

棘はそんなアスマを見たくなくて安心させるように

棘「しゃけ！いくら」
(うん！ありがとう)

今できる最大の笑顔。ぎこちない笑顔

棘の意図がわかりアスマは切なくなる

(あぁ、この子はやっぱり優しい子だ。)

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