26話 ページ27
3人は顔を歪めた。
棘はあんなことがあっても母親を庇い、母親、家族の愛を求めていた。
そして、いつか、何年も何十年もかかるかもしれないが、母親と一緒に過ごし普通の親子のような関係を築きたいと話していた。それが自分の夢だと。そうカカシ達に語っていた。
しかし棘は、記憶を消すことに承諾した。
つまり、棘はその夢を自分の手で消すということだ。
[口枷を外して下さい]
そう紙に書く。
3代目は棘をジッと見た後、やがて息を吐き棘の口枷を外す。
棘の口枷が外され、呪印が現れた顔を見た母親は顔を歪めて言葉を紡ぐ。
棘母「棘。最後のお願いよ。聞いてくれる?」
棘「!!は、い」
棘は初めて自分をしっかり見つめる母親に少し嬉しくなる。呪いがこもらないよう、慎重に返事をする。
しかし、次の言葉が棘を地獄に叩き落とした。
棘母「あんたは苦しんで死んで。苦しんで苦しんで生きてるのが辛いって思えば良い。普通に死ぬのは絶対に許さない。苦しんで死んで、そして死んでからも苦しみなさい。それが私の最後のお願いよ。」
アスマ・カカシ「やめろ!!!」
母の心ない言葉に棘は目を見開き涙を流している。
そしてゆっくりと顔を上げ、決心したように口を動かす。
棘「わ、かり、ました。
今まで、あ、りがと、うござい、ました。
ご、めんなさ、い。」
母親と従者の前に棘は移り呪いの言葉を放つ。
【全て忘れろ】
ガシャンと音が鳴った気がした。
治りかけた心がまた壊れる音がした。
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作者名:ウジン | 作成日時:2021年2月27日 15時