11話 ページ12
棘の言葉には呪いが宿っていた。
棘は覚えていないが、棘が3歳の時は小屋には専属の使用人がおり、その時は棘に口枷はされていなかった。
使用人はようやく喋れるようになった棘を可愛がっていた。
使用人の名前は椿と言った。
口元の呪印と得体の知れない禍々しいオーラで呪いの子だと遠ざけられていた棘だが、見た目はとても天使のように可愛らしかった。
そんな棘を可愛がっていた椿を嫌うものもいた。
使用人「なんで、あんたはあんな呪われた子を可愛がるのよ?気味悪いわ。」
まるで恐ろしいものを見るような目で棘を見る使用人
その目に棘は怯えて椿の足にしがみ付き、視線から逃れる。
椿「棘様はとても可愛らしく、頭の賢い子です。それに棘様は仮にもご主人様の子よ。口を慎みなさい」
椿のその言葉に頭に血を上らせた使用人は椿を押し倒して、頬を打つ。
この使用人は、椿のように望んで棘の使いになった訳じゃない。
毎日毎日なぜ自分がこんな忌み子をと、思いながら過ごしていた。
さっきの椿によって、今までの溜まりに溜まった負の感情がでてくる。
使用人「黙りなさい!あんたも呪われて仕舞えばいいのよ!この、この!」
そう言って何度も何度も椿の頬を打つ
その光景を見た棘は大好きな椿が殴られるのを見て思わず声を出した。
棘「【やめて】」
その瞬間ピタリと使用人が椿を殴る手を止める。
使用人「なに、これ?体が動かない!?あんたね!この呪いめ!!」
そう言って動くようになった体で花瓶を手に取り棘を殴ろうとした。
その時椿がその使用人の手を掴み押し問答になってるうちに、、、、、、。
バリン!!
使用人の頭に花瓶が当たって割れてしまった。
椿は呆然と立っている。
使用人は頭から血を流して倒れている。
棘はその光景を見て固まっていた。
椿はすぐにハッとなり
椿「棘様!!お怪我はありませんか?」
棘はコクコクと頷いて
棘「ち、ちがで、てる」
椿は棘を抱きしめて、あることを決心した。
椿「棘様、今からあったこと、いえ、今までのことを全てお忘れください。」
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作者名:ウジン | 作成日時:2021年2月27日 15時