*ﾟ*金魚花火5*ﾟ* (ページ24)

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【１２４】ページ24

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和也「なんだかんだで……イイ人だったよ、やっぱり」

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目の前に飾られた大きな写真の中、威厳たっぷりな雰囲気のお爺さま

見つめながら彼はそう言った。

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和也「お前を、危険な目に遭わせまいと必死だった」

A「……うん」

和也「………」

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お爺さまが意図的に、私を組から遠ざけていたこと

それでも自分の死期を見据えて、私を巻き込まざるを得なくなっていったこと

そのことに……お爺さまは、きっと胸を痛めていたはずで

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和也「俺な……組長になるよ」

A「え……？」

和也「俺がなる。なれるように、組の奴らに認められるように頑張るからさ

周りの空気を読んで、今だと思った時にお前は俺を指名しろ」

A「なん、で…」

和也「お前のお爺さんと同じだよ。

お前をこれっきりで、組から関係ない人生を歩めるように、遺言を残していたあの人と同じ。

俺が組長になってやる。だからお前は……組長になり損ねた智と、ウチを出ていけ」

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まばたきも忘れて、横顔を見つめていた私に、彼は顔を向けて

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和也「智も、本当は自由に生きたがってるはずだしね。

あいつがここに留まってる理由なんて、お前のことしかないんだからさ」

A「智さんと私が……一緒になればいいと、思ってる？」

和也「一緒になるのは智じゃなくてもいいんだけどね……もし結婚まで至らなかったとしても、智はお前の面倒を最後まで見てくれると思うからさ」

A「………」

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す、と。私の頬を一度だけ撫でた彼の手

離れて。とびきりの微笑みを向ける。

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和也「覚えてる？……智はお前のことを鳥だっていつか言ってた。

俺はそのとき、違うって。俺とお前は魚だって言ったんだ。

……でも間違えていたのは俺のほう。お前は、魚なんかじゃない」

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藍色の衣、哀しみを溶かした濃い、青い色

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和也「水槽の外でも、生きていける」

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