*ﾟ*金魚花火5*ﾟ* (ページ19)

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【１１９】side M ページ19

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翔「貴方ともあろうお方が、よくもまあやって下さいましたね6番隊隊長」

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重い空気の室内で、漆黒のコートを着た翔さんが口を開いた。

トレードマークだった銀縁のない彼は、余計にその視線が鋭く見える。

この場に集められた幹部は全員正装をしており、俺自身もワインレッドのコートを身にまとっていた。

2番隊隊長は、来ていない。お嬢に付いている智も今はいない。

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翔「1番隊隊長、報告を」

雅紀「組長が亡くなったという情報は止めようにも手遅れです。

また、既に一部の組織ではこの機に乗じて我が組を潰そうと計画を立て始めている様子が見受けられます」

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ザワ……と。隊長連中は動揺を見せ、そしてこの事態を招いた張本人

皆に取り囲まれるようにしてその場に座している6番隊隊長を睨んだ。

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翔「どう落とし前をつけるつもりだ？」

「………副組長、お前さんはそれで納得しているのか」

翔「………」

「お嬢様の一存で次の頭(かしら)を決める？

和也も智も、組からいなくなったことのある男だ。そんな奴らに任せられると思うか。

儂は金龍がまだ青年だった頃からこの組を支えてきたのだ。見過ごせると思うか」

翔「だからAお嬢様を殺そうとした？それで遺言は無効になるから？

短絡的すぎる…」

「遺言の問題点は、お前さんが副組長に留まるという点にもある」

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6番隊隊長は、一切の躊躇いを見せず。翔さんの顔を直視した。

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「お前さんがなるべきだろう、次の組長には」

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なぜ、初めからその選択肢をなくしてしまったのだと。6番隊隊長は吐き捨てた。

室内には気まずいような、妙な空気が流れる。

それは……おそらく、そう考えるのが6番隊隊長だけでないということだ。

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