銀狼【銀魂】21

第九百三十二訓 笑顔と脅迫は紙一重 ページ1

A「……ぅう…」


数時間後。あたしは机の上に突っ伏していた。

ありとあらゆる情報を引っ掻き集めてみたものの、これといった情報は一切無かった。

杉浦大輔…なかなか尻尾を掴ませない男だ。面白いとか短気で有名なこのあたしが言うわけねーだろバーカ。

気分は最悪だ。八つ当たりしたい。この苛立ちをどうしよう。


A「くっそォ…野郎、見つけたら絶対ェぶちのめす」


杉浦(ヤツ)に全部受け止めてもらおう(ニッコリ)

溜息を吐いて、ガシガシと頭を掻いた。
このままだと確実にストレスでハゲそうだ。いや、ハゲるのは嫌だけど。

ハゲなんてどっかの戦闘バカの親父だけで充分だ。
アイツ将来絶対ハゲるよ。そしてそれをめっちゃ気にしてるよ。だっはっはっは！！ヤベェ超笑える！


つーか、元々情報収集なんてガラじゃないんだよ。
タッキーとかに協力してもらって色んな情報引き出そうとしたけど、結局何も掴めなかったし。


もっかい溜息吐いて、椅子に凭れかかる。

宙を仰ぎ見ていると、チラリと見覚えのあるサーモンピンクが目に入った。


神威「Aっ」

A「どわあ！？」


視界いっぱいに、神威の笑顔。

驚いて、急いで体を起こしてしまった。

すると、


ゴチン！


A「いってェェェ！！」

神威「痛っ」


額同士が勢いよくぶつかり合った。

いったい！！何なんだよこのっ、ふざけんなよこの石頭ァ！！


A「ったぁ〜…」

神威「大丈夫？A」

A「うっせぇ！誰のせいだと思ってんだ、このすっとこどっこい！」


相変わらずクソムカつく笑顔にイラついたあたしはキッと睨みつけるが、もちろん奴はそれに動じない。チッ。

神威はあたしの座っていた机の上に、カフェオレを置いた。


……………えっ？


神威「はい、コレ」

A「！」

神威「なんか作業してたんでしょ？お疲れ様。ちょっとくらい休憩入れないと、体が保たないよ」

A「……」


えっ…マジ何なのコイツ。

くっっっっそ気持ち悪い！！

いやいやいや、え！？何！？気持ち悪っ！！

絶対怪しいってコレ！非常識が常識とか平気で語る奴が普通のカフェオレとか飲ませるわけないだろ！！絶対裏があるってコレ！！


神威は隣の椅子を引いて、背凭れの方を向いて座った。

…椅子の正しい座り方知らないのかお前？


神威「どうしたの？」

A「…いや、何でもない」


ヤベェあたし今超見られてるカフェオレ飲まなきゃ殺される(確信)

っし、飲むか！

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