第247話 ページ5
偉「遊びだと…？」
永「そっ、遊び♪ちょっと遊びで護身術を教えるつもりが、俺なんか熱くなっちゃって〜」
アハハ〜と笑う永亜さんにゾッとする。
皆この笑顔に騙される。誰もこの人の本性を知らない…
きっと神楽坂先輩も…
偉「そうか。
…とでも言うと思ったか？」
えっ？
思わず私の側にいる先輩を見る。
偉「さっきのお前は殺気が駄々もれだった。そしてこの首を締めた手の痕…本当に遊びだったのならば、お前が力加減をしないはずがない。
ましてやお前は我を忘れて熱くなるような性分じゃない。
…本気でAを殺そうとしていたのは明白だ。」
私の首を永亜さんに見えるようにしながら神楽坂先輩は言う。
偉「俺を騙せると思ったか？
…お前がAに対してよくない感情を持っていたことも知っていた。」
「“あの事件”が起きてからだろう。」
その言葉に永亜さんは黙っていたかと思うと、ゆっくりと口角を上げた。
永「さすが“霧沢の千里眼”。なんでもお見通しってわけか。」
偉「…お前は読みにくい。なぜここまでするのかは分からない。
たしかにAは“あの事件”に関わっていた。“あいつ”が被害者なのも確かだ。
だがAに責任はない。こいつも被害者だ。
そんなこと分かっているはずだ。
それなのに、なぜここまでする？」
永「…皆騙されてるんだよ、この女に。」
永亜さんはそう言って鋭い視線を私に向ける。その目にあるのは、嫌悪と、憎しみ…
永「あんなことになったのは、全てこの女のせいだ。こいつが被害者だって？加害者の間違いだろ？」
偉「…話が噛み合わない。永亜、お前何を勘違いしている？Aが加害者なわけがない。」
永「…お前、偉月まで騙してんの？」
再び永亜さんは冷酷な瞳で私を見る。
その威圧感に私は首を横にふるしかできない。
偉「…なぜここにいる？お前は今日はオープンキャンパスのはずだろう？」
永「ふ〜ん…お前がやけに今日のオープンキャンパスを薦めてくるなと思ったら…なるほどね。俺をこの試合会場に来させないためだったんだ？
おかしいと思ってたんだよね〜。この一年半、後輩たちの試合を見に行こうとした日に用事が入ったり、お前から聞いた日にちが間違っていたり…
でも納得したよ。俺をこの女と接触させないためだったんだ？
優しいね〜神楽坂部長は。
…けどウザい。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 405人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
輪廻(プロフ) - フーカさん» そうですね！月乃さんの作品は僕も好きですし、頑張って下さい！！ (2020年11月21日 19時) (
レス) id: a614865e72 (このIDを非表示/違反報告)
フーカ - 月乃さんに、アンチのコメントに負けないでください！更新気長に楽しみに待っています。 (2020年11月21日 1時) (レス) id: 25fb134260 (このIDを非表示/違反報告)
フーカ - この報道を少なくするためにも、ひとりひとり、自分の発言には責任を持つべきだと思います。 (2020年11月21日 1時) (レス) id: 25fb134260 (このIDを非表示/違反報告)
フーカ - でも、あさんだけではありません。このうらつくを観ている人全員がコメントをするときは、作者さんの作品を侮辱したり貶したりしてはならないのです。このような発言が命を奪うかもしれません。近頃ニュースで、次々有名人が自殺した報道がありました。 (2020年11月21日 1時) (レス) id: 25fb134260 (このIDを非表示/違反報告)
フーカ - あさん» 輪廻さんのゆう通りです。私はこの作品がすきです。あさんがこの作品を侮辱する権利は一切ありません。『この感想を書こう』ではみんなで楽しく感想を出しあったり、作者の月乃さんを応援したりするところだと思います。 (2020年11月21日 1時) (レス) id: 25fb134260 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月乃 | 作成日時：2015年4月20日 23時
