ジョングク先生、大好きです。２【JK】

58.【JK】 ページ8

【JK side】








最初は、本当に、ヌナと同じ名前の奴がいるなぁっていうくらいの認識だった。






受け持つクラスが決まり、名簿を受け取れば、一番に目に入るAという名前。


ヌナの顔が浮かぶ。








僕の初恋の人。


僕は高校生の時に大好きな人がいて、その大好きな人は、他の人と一緒になった。


僕は２人がうまくいくように背中を押したわけだけど、ヌナのことが本当に大好きだった。


他の男のものになるなんて・・・あの笑顔が他の奴のものだなんて、胸が引き裂かれるくらい痛くて、辛くて、苦しくて。


もう、恋なんかするかと誓った。





ヌナとヒョンが大学を卒業するまでの間は一緒に働いていたから、嫌でも幸せそうな２人を見なければいけない。


少しずつヌナへの想いに蓋をしていき、ヌナとヒョンがバイトを辞めるころには、もう２人を見ても苦しくないくらいにはなった。



ただ、ヌナを見れば思い出す。


胸の痛みと、たくさん泣いたあの日。




それは、かなり切ない初恋だった。






大学では、それなりに言い寄ってくる女はいたし、その中からタイプの女とは付き合ってみた。


でも、やはり好きという感情は持てない。


一緒にいて、楽しい。だからといって、ずっと一緒にいたいわけでもなく、友達のような感覚だった。


キスもそれ以上の行為も。


ただ、付き合うってこういうものなんでしょ？という感覚でしていたから、それらに幸せを感じることはできなかった。






いつも、“ジョングクは、私を好きじゃない。”と言って別れを告げられた。


そうだろうね。


僕はあんたを好きじゃない。




ヌナの笑顔を思い出す。



僕は、ヌナ以上に好きな人なんてできないのかもしれない。









・・・と思っていた。







ヌナと同じ名前のAは、どうやら僕の昔のバイト先で働いているらしい。


久しぶりに行った居酒屋で見つけたときには、正直面倒くさいなと思った。


仕事以外で生徒に関わるなんて、面倒くさい。


正直、学校で関わるのも嫌なくらいなのに。





そんな僕が何故教師になったのか。




それは、第一志望であったヌナと同じBTS大学に行くのが辛くて、その他で近くにあったBighit大学に進学先を変えようと思った時に、BTS大学に無くて、Bighit大学にある学部が、教育学部しかなかったから。


ただ、それだけ。

59.【JK】→←57.【TT】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す