No.163 ページ14
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「……」
すっかり押し黙ってしまったデイダラ。
『…ごめん…ちょっと限界が来そう…』
そう呟くと傀儡の中から「は?」と声がした。
傀儡の中に居るデイダラからしたら
私がどうなってるか分からないだろうし。
「!A、少し離れろ」
『…カンクロウ…?…ハァ…』
__ガコッ!
『……!』
「!?」
突然、傀儡の扉が開いた。
「デイダラ…コイツに免じて今だけ出してやる。
今だけ、だからな。わかったな?
お前はすぐ__」
「A、お前……それ…」
『…!…ふ、』
プライドが高い割には
さっきまで自分を閉じ込めていて、更にデイダラに何か言おうとしているカンクロウの事をガン無視して私を見つめてくるデイダラ。
そんな彼に思わず笑ってしまった。
「誰にやられた……つか治療は!!」
『…急所は外れてるし』
「そういう問題じゃねぇ…
オイテメェ…医療班は居ねぇのか?」
焦ったようにカンクロウに尋ねたデイダラ。
さっきのカンクロウの嫌味、すっかり忘れてるだろ。
「さっき侍の一人に伝えたがなかなか来ねぇ…
恐らくあちこちで戦争が起きてる」
「チッ…」
デイダラの手は冷たい。
生前も冷たかったけど、今は温度がない。
やっぱり死んでるのかぁ…
『母親は強いんだから
こんな事では死なないよ。』
「…嘘じゃねぇだろうな」
『ホント』
そう言ってみるも、
彼の心配そうな表情は変わらない。
『…ずっと隣に居てくれたらいいのに』
「!」
私からデイダラの腕の中に入った。
するとそっと私の背中に回された腕。
朦朧とする意識の中、気力を振り絞る。
「お前は…今だってそうだが
自分が思ってるより強い
オイラが居なくても十分に」
『…それは違う、
デイダラがいたから強くなれた…!
私1人じゃ、』
「母親ってのは強いんだろ?…うん?」
『…!』
その笑顔は…私の1番好きな、
デイダラが笑ったその瞬間、
彼の周りを光が覆った。
「あのインテリ…
やられやがったか…うん」
それはまるで、夢で見たときのような……
「ずっとそばに居る」
『…!』
デイダラが何かを悟ったようにそう言った。
「生きて、ずっと一緒に居てやれなくてすまねぇ
無責任だが…“ソイツ”の事も頼んだ
お目にかかれるのが楽しみだな…A」
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星夏(プロフ) - めっっっっっっちゃくちゃに最高でしたヽ(;▽;)ノめちゃ泣けました。本当に最高以外の言葉がないですm(__)m素敵な作品ありがとうございました!何度も読み返そうと思います(*・ω・)ノ (3月16日 23時) (レス) @page35 id: 5262425516 (このIDを非表示/違反報告)
R - もう本当に素晴らしすぎてなんて言ったらいいか…最高すぎます本当に。ハッピーエンドで良がっだね…ッ!(´;ω;`)最高すぎます、素敵な作品でした!ありがとうございますm(*_ _)m (12月6日 18時) (レス) @page35 id: eba19b90d6 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 続きを書いて欲しいくらい素敵な作品でした (8月27日 13時) (レス) id: 9411f7a30e (このIDを非表示/違反報告)
メイドさん(プロフ) - ミルクコーヒーさん» この作品マジで滝が流れるみたいにガチ泣きした。 (2023年3月15日 11時) (レス) @page35 id: 69b2886171 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクコーヒー(プロフ) - みつさん» 私も書いてる途中うぐっってなってましたwwwコメントありがとうございます(´;ω;`)次回作も頑張りますね!!!!(*`・ω・)ゞ (2023年3月6日 10時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2023年2月10日 22時