No.58 ページ9
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『それでは、ここまでですね』
「あぁ…そうだな」
無事に大名の使いとやらを里まで送り届けた私。
これで任務完了ってか。
A級任務にしてはちょっと簡単すぎたような…
「簡単な任務、とでも思ってるのかな?」
『えっ』
突然、その使いの男がそう言ってきた。
なんで考えてることがバレたんだろう。
「そりゃあ、A級任務を受けてくれる忍を…
この私が買い取るためにA級任務を依頼したんだからね」
『…買い取る?』
「そう…君にもさっき、聞いたよね?
一緒にならないかって……
君は力も申し分なく、そして綺麗だ……」
『……』
つまりこの任務はA級の任務では無いけど、A級任務を遂行するにあたりそれに匹敵する力を持った忍が欲しかったってこと?
……。
「いくらが望みだ?」
『……任務終わったんで帰ります。』
「待て!」
引き返そうとした所、腕を掴まれた。
『そんなに自分の忍が欲しいなら雇えばいいじゃん
抜け忍でもなんでも。』
抜け忍を雇うのに抵抗があったとしても
金払ってくれるんなら危害は加えられないだろうし。
「しかし……君は木の葉のあの有名な鏡の“A”なんだろう?私には君しか……」
『付き合いきれませんね
私には想い人がいます。だからさようなら
あ、お金はちゃんと払ってくだいね』
手を伸ばしてきた男から一瞬で距離を取り、
里の門を通り抜ける。
これでこの任務も終了だ。
金はあとから木の葉で受け取ればいい。
振り返れば、男は悔しそうに俯いている。
……あれ?
__男の前に黒い影が降り立った。
『あれは…』
その黒い人物は傘を取ると、
綺麗な金髪を揺らして…って。
まて
『デイダラ!?』
急いで戻ろうとするとデイダラは再び傘を被り直し
煙を立てて男の前から消えてしまった。
そして
「よう」
『!?』
私の真隣に来た。
『な、なに話してたの…?』
「…なんもねーよ、うん」
『嘘だ。私たちの密会は絶対バレちゃダメだからね』
密会、って言うのちょっと恥ずかしい。
相手が普通の友達だったらなんとも思わないけど
デイダラと密会ってなると……うっ。
「なんの顔だよそれ。うん。
密会はバレねぇようにしてる
さっきのはお前とは関係ねぇ話をしてたんだ」
いやその割にはちょっと怖い顔してない?
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ルナ(プロフ) - 他作品にもコメントさせて頂いたのですが、最高すぎたのでこちらにも書かせて頂きます!!まだ途中までしか読んでませんが、凄く引き込まれて感情移入してしまいます(;ω;)私の語彙力が無く申し訳ないですが、これからも応援してま (6月22日 13時) (レス) id: 83652a64fb (このIDを非表示/違反報告)
メイドさん(プロフ) - あーもうやだ。デイダラ行かないでぇ!! (2023年3月14日 19時) (レス) @page47 id: 69b2886171 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクコーヒー(プロフ) - うおおお!!!みなさんありがとうございます(´;ω;`)今更コメントに気が付きました!!!!!めちゃくちゃ嬉しいです( ◜௰◝ )更新頑張ります!!! (2023年1月22日 20時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
辰巳晴香(プロフ) - 一番大好きな作品です!ドキドキします!更新、頑張ってください、応援してます! (2023年1月22日 13時) (レス) @page44 id: e3dc8f5aa4 (このIDを非表示/違反報告)
あああああああ - うわぁあああああ!!!デイダラ行かないでぇえええええ! この小説面白すぎて感情移入してしまいます。。最高すぎる (2023年1月21日 16時) (レス) @page43 id: 3c843779c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月18日 19時