Ｎｏ．９５ ページ46
･
＿＿私の涙を見た途端、
デイダラはピタリと動きを止めてしまった。
「悪い、泣かせるつもりは……」
『止めないで』
今更そんな事気にするなんて…
さっきからギャン泣きだっての。
どれも初めて見る新鮮な彼の姿に
思わず笑みを零した。
『すき』
｢…あぁ｣
デイダラの首に手を回し固定する。
このまま私から離れて行ってしまわないように、
さっきよりも強く…。
繰り返される口付けはとても優しくて
涙の味がした。
＿＿ﾄﾞｻｯ
…身を委ねるまま
私の視界に映っているのはデイダラと天井。
(ほんとにキレイな顔)
あぁ、コイツはどんな時でも顔が良いな…なんて
場違いな事も考えてしまって。
思わず彼の頬に手を添えると、
その手に自身の手を重ねたデイダラ。
｢どんだけ泣くんだよ…、うん｣
そう言って、泣きすぎな私の涙を指でそっと拭って
優しく笑みを浮かべた。
こんな風に大事にしてくれる人を私も大事にしたい。
彼への好きが溢れて止まらない。
「…オレはずっとお前が好きだ
愛してる
……いつ死ぬか分かんねぇ奴が
こんな言葉でお前を縛っていいのか分からないが…」
おでことおでこがコツンとぶつかる。
『……ん。
他の人に目移りしないように自分への戒めにしといて
私も＿＿』
言葉を言い切る前に口を塞がれた。
｢フン…
お前、オレが別の女に目移りすると思ってんのか｣
ちょ、私もちゃんと伝えたかったのに…
目移りってのは冗談で言ってみただけだけど
ちょっと怒ってる。
優しい表情も怒ってる顔も、
たまにこんな風に意地悪になるのも全部好き。
…というか、
私の顔にかかったデイダラの髪がくすぐったい。
｢お前がいるから人生どう転ぼうと
もうどうでもいい｣
ゆっくりと覆い被さってくる彼。
私を抱きしめていた彼の腕の傷は相変わらず痛々しい。
だけどその傷さえも愛おしく感じる。
「…………………出来ることなら
ずっと…………」
途中で聞こえてきた彼の声は、さっきよりもずっと切ない色を含んでいた気がした＿＿。
………意識を失う直前に
彼がなにか、言ってた気がする
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルナ(プロフ) - 他作品にもコメントさせて頂いたのですが、最高すぎたのでこちらにも書かせて頂きます！！まだ途中までしか読んでませんが、凄く引き込まれて感情移入してしまいます(；ω；)私の語彙力が無く申し訳ないですが、これからも応援してま (6月22日 13時) (
レス) id: 83652a64fb (このIDを非表示/違反報告)
メイドさん(プロフ) - あーもうやだ。デイダラ行かないでぇ！！ (2023年3月14日 19時) (レス) @page47 id: 69b2886171 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクコーヒー(プロフ) - うおおお！！！みなさんありがとうございます(´；ω；｀)今更コメントに気が付きました！！！！！めちゃくちゃ嬉しいです( ◜௰◝ )更新頑張ります！！！ (2023年1月22日 20時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
辰巳晴香(プロフ) - 一番大好きな作品です！ドキドキします！更新、頑張ってください、応援してます！ (2023年1月22日 13時) (レス) @page44 id: e3dc8f5aa4 (このIDを非表示/違反報告)
あああああああ - うわぁあああああ！！！デイダラ行かないでぇえええええ！ この小説面白すぎて感情移入してしまいます。。最高すぎる (2023年1月21日 16時) (レス) @page43 id: 3c843779c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミルクコーヒー | 作成日時：2022年12月18日 19時
