出会いは突然だった。２【デイダラ】

Ｎｏ．９３ ページ44

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どうして何も言わずに出ていってしまおうとするんだろう。

どうしてこっちを見てくれないんだろう。





聞きたいことは山ほどある。






でも、ここで離してしまったら
もう二度と会えない気がする。





『なんで、黙って出ていこうとすんの』




「………オレらは忍だ。
前にも言ったが、ロクな死に方はしねぇ…

殺戮集団なんかに所属してるオレなんか特にだ。うん」





じゃあ何？自分が明日どうなるか分からないから
今日私が寝落ちた時に黙って出ていこうとしたの…？





わざわざそうするってことは、
私の気持ちにも気づいてる…？





『逆に私が誰かに殺されてデイダラより先に死ぬかも』





対抗する様に言うと
デイダラはフッと小さく笑いを零して、




「オレが生きてるうちは
お前が殺されるなんて事はねえよ…うん」



…なんて言う。




相変わらずの彼の無意識なのか
不意にどきっとさせられる。


自然と彼を抱きしめる腕に力がこもった。






『私の気持ち、気付いてるよね』



｢……｣




彼は黙ったまま何も言ってくれない。




『……、』




｢…………だから、だめなんだよ……｣




さっきからだめ、だめってそればっかり。

もう一度声を掛けようとしたその時、





｢…オレじゃお前を不幸にする｣


デイダラがそう小さく呟いたのが聞こえた。






私を不幸にするって…なに？
好きな人と一緒に居て不幸になるなんてこと
ないのに…


例えその人がどうなったとしても
その時の幸せな記憶は絶対に無くならないのに。





『…私だって人をたくさん殺してきたよ
デイダラも私もロクな死に方をしないのはわかってる

ても、不幸か幸せかなんてそんなの自分で決める…』



「……

その減らず口、
無理やり黙らせてやってもいいんだぞ、……うん」



『いいよ黙らせてよ』



「…、お前は…あー言えばこー言う…」






ふ、とデイダラが力なく笑った。







『デイダラ、』




「……なんだよ」




『好きだよ。』




「……、……」






私のその言葉にデイダラは何か言い返そうとしたのか口を開くも、何も言わないまま黙り込んだ。









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