No.92 ページ43
・
・
___微かな物音でふと目が覚めた。
『…?』
いつもなら全く目を覚まさない私だけど
この日はなんだかよく眠れなかったらしい。
あの時、デイダラが夢じゃないって気付いて再び眠りについてからそう時間は経ってない様に思える。
ところで、さっきの物音は…?
顔だけ横に向けてみると
隣に居るはずのデイダラがいない。
……が、誰かがベッド付近に立っている。
__デイダラだ。
『…、』
声を掛けようとしたけど、
何やら出かける準備を…してる?
私が起きてることには気付いていないみたい。
時計を見てみるとまだ23時過ぎだった。
あれから2時間くらいしか経ってないってことか…
すると、額当てをつけながら
ゆっくりと窓に向かって行こうとするデイダラ。
予感はしてたんだ。
『……デイ、』
咄嗟に声を掛けようとしたけど。
“待って”
“行かないで”
って言葉が口に出せない
…この時、またあの寒気を感じた。
『……っ』
私の体は咄嗟に、
気付けば勝手に動いていた。
「__!?」
言葉の代わりに彼の装束の袖部分を掴み引き止める。
「_っお前、起きて…!?」
…驚いた顔をしてる。
やっぱり、私が起きた事に気付いてなかったんだ。
両膝をベッドに立てたまま
彼の背中に額を強く押し当て、腹に手を回す。
彼が行ってしまわないように。
「…悪ぃな、A
もう出ることにしたんだ。…うん」
デイダラの手が私の手に添えられた。
……振り解くのかな。
『いやだ
明日って言ってたじゃん』
「………だめなんだ、」
『何がダメなの?』
じゃあなんで私に今日ずっと付き合ってくれてたの
そんなこと口では言えるくせに
私の手を振り解かないのはなんで?
『私……私さ、
デイダラのことが…』
「A」
意を決して口に出そうとしたが
デイダラの言葉に遮られた。
「…オレはこんな身で、本来であればお前とも敵同士だ
一緒に居てはいけない、…
お前も分かってるだろ?…うん?」
背を向けられてるから彼の表情は見えない。
そんな事言ってる割には
なんでそんな悲しそうに話すんだろう。
「……、離してくれねぇか」
『絶対離さない
そんなに嫌なら振りほどいてみなよ』
「………A……」
困らせちゃったかな
・
43人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルナ(プロフ) - 他作品にもコメントさせて頂いたのですが、最高すぎたのでこちらにも書かせて頂きます!!まだ途中までしか読んでませんが、凄く引き込まれて感情移入してしまいます(;ω;)私の語彙力が無く申し訳ないですが、これからも応援してま (6月22日 13時) (レス) id: 83652a64fb (このIDを非表示/違反報告)
メイドさん(プロフ) - あーもうやだ。デイダラ行かないでぇ!! (2023年3月14日 19時) (レス) @page47 id: 69b2886171 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクコーヒー(プロフ) - うおおお!!!みなさんありがとうございます(´;ω;`)今更コメントに気が付きました!!!!!めちゃくちゃ嬉しいです( ◜௰◝ )更新頑張ります!!! (2023年1月22日 20時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
辰巳晴香(プロフ) - 一番大好きな作品です!ドキドキします!更新、頑張ってください、応援してます! (2023年1月22日 13時) (レス) @page44 id: e3dc8f5aa4 (このIDを非表示/違反報告)
あああああああ - うわぁあああああ!!!デイダラ行かないでぇえええええ! この小説面白すぎて感情移入してしまいます。。最高すぎる (2023年1月21日 16時) (レス) @page43 id: 3c843779c5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月18日 19時