出会いは突然だった。２【デイダラ】

Ｎｏ．５３ ページ4

･





何も喋らない“暁”の構成員と思われる男(？)。

あー、戦いになればこりゃ私死ぬな。





＿＿暫くの沈黙が続いたそのとき。





「……ぶっ、」


『…？』


「あはは……！」




突然、目の前の男が笑い出したのだ。



ってか、なんでこんなにデイダラに似てるの…
仕草も似てるかと思えば、声まで似てるなんて。


ってか、何笑ってんだこいつ。




『ちょっと、なんで笑って……』


「あーーもう
お前に笑わせられたのはこれで2回目だぜ…うん」



その声、その笑い方、その口癖。





『ッ……！？』



傘を取ったソイツの顔を見て思わず固まった。




「2週間ぶり…？だな、A…うん」


『え………？』




待って、理解が追いつかない。
死んだはずじゃ…

だとしたらこの人は…？
デイダラに変化した誰か……？




「んだよその反応は…。オマエまさか、本当にオイラが死んだとか思ってねぇだろうな？…うん」



『えっ……』




2mくらい離れてた距離をだんだん縮めてくるデイダラ。



ほ、本当にデイダラなの？
嘘ついてない？




もしこれが誰かの変化の術とかだったら
私は、もう…………




『……、』


「…？オイ、大丈夫か？」




一点を見つめて考え込んでいた私の顔を
デイダラと思われる人物が覗き込んできた。






「って……おま、何だよ…その目？…うん？」




スッと伸びてきた彼の左手が私の右頬に添えられる。


デイダラの手は……無くなったはず。
って事は、やっぱりデイダラじゃない…？





『あ、なたは…だれ？デイダラは…死んだんじゃ、』



ピクッと反応した彼の指。

イタチの幻術とかじゃないよね…？




「…オイラは生きてる」



『うそ、だって両腕は無いはずだし、』



「仲間に直してもらったんだ…うん」




袖を捲って見せてくれた両腕。
糸の縫い目が痛々しい。


両手のひらにはちゃんと口がついてる。




『でもあの時っ
し、死んだんじゃ…！
ビンゴ･ブックにもそう書いてあった……！』



自然と目に涙が溜まって、相手の顔が上手く見えない。




「…あれはオイラの粘土分身だ。
オイラ本体が爆発したわけじゃねぇ…うん」



頬に添えられていた手が動き、
その指が私の目元に触れる。




「悪かったって…泣くなよ……うん、」



『本当に生きてるの？イタチの幻術とかだったら…』



「……、」






いつまでも信じようとしない私に痺れを切らしたのか
突然、腕を引かれた。







･

Ｎｏ．５４→←Ｎｏ．５２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す