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No.66 ページ17







「…だ、誰だよ!」



『…?』




私の耳元で叫んだその声は、
私の好きなあの人の声とはまた違う感じがした。



首に回していた腕をそっと解き、抱き上げようとしていた人物の顔を至近距離で見つめてみる。






「……おい……
離せって言ってんのが聞こえねぇのか?…うん」




するとさっきよりも低くなる声。


あれ、この声…この人から聞こえる声じゃない。
ってことはこの人はもしや…人違い?



ドンッ!と胸を押して勢いよく離れると
その反動で床に尻もちをついてしまった。





その衝撃にお腹がズキっと痛み
思わずう”っ…と声を上げてしまう。






「このッバカA!!帰んぞ!」



『!』




私の目の前でしゃがむ黒い影に揺れる明るい金髪。
そしてフワッと香ったこの香り。




__今度こそデイダラだ。間違いない。





『デイダリャ……』



「デイダ“ラ”だバカ

宿にも居ねぇし、この辺りで聞いて回りゃそれらしい人物がここに居るって言うから……」





うわ、怒ってる……





「なんでそんなもん飲まされてんだよ。

……つか誰だ?この男」




鋭い視線を男に向けるデイダラ。


……その殺気が禍々しくて、
ボーッとしていた頭が嫌でも冴えてくる。






『その人は……分かんない
私を助けてくれようとしてた(?)』



「そんなわけねぇだろ!!」



『んふふ』



「何笑ってんだ!!うん!!」





怒ってるのに全然怖くない。




デイダラに睨まれた男たちはまだそこにいるみたい。
ってか、固まって動けなくなってる…?()





『んーねぇデイダラ。私さぁ、』



「……?」





デイダラが私の片腕を持って自身の首に回すと
そのまま私を持ち上げ横抱きする。



ギュッ、とデイダラにしがみつくと






『私さっき、デイダラに抱かれる夢見たよ』




……と、デイダラに報告(?)した。






「……、…」


「……」


「…………。」





周りの空気が固まった気がした。





店長は何故か険しい顔をして頷きこう言った。


「うんうん、そうだろうなとは思ってたよ……
確かにそのサワーの色は彼の髪と瞳によく似ているね」




『でしょ?かっこいいでしょ』



「あぁ……
彼氏さんが迎えに来てくれて本当に良かったよ
このままだったら別の人にお持ち帰りされてたからねぇ」





勝手に進んでいく会話に、当の本人……デイダラはフリーズしてしまいついて行けて無さそうな雰囲気だ。








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ルナ(プロフ) - 他作品にもコメントさせて頂いたのですが、最高すぎたのでこちらにも書かせて頂きます!!まだ途中までしか読んでませんが、凄く引き込まれて感情移入してしまいます(;ω;)私の語彙力が無く申し訳ないですが、これからも応援してま (6月22日 13時) (レス) id: 83652a64fb (このIDを非表示/違反報告)
メイドさん(プロフ) - あーもうやだ。デイダラ行かないでぇ!! (2023年3月14日 19時) (レス) @page47 id: 69b2886171 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクコーヒー(プロフ) - うおおお!!!みなさんありがとうございます(´;ω;`)今更コメントに気が付きました!!!!!めちゃくちゃ嬉しいです‪( ◜௰◝ )‬更新頑張ります!!! (2023年1月22日 20時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
辰巳晴香(プロフ) - 一番大好きな作品です!ドキドキします!更新、頑張ってください、応援してます! (2023年1月22日 13時) (レス) @page44 id: e3dc8f5aa4 (このIDを非表示/違反報告)
あああああああ - うわぁあああああ!!!デイダラ行かないでぇえええええ! この小説面白すぎて感情移入してしまいます。。最高すぎる (2023年1月21日 16時) (レス) @page43 id: 3c843779c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月18日 19時

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