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No.50 ページ1





1枚、1枚と……ページをめくる度に
心臓の音が大きくなっていく感覚に陥る。





『……、』




どうか、




あの時、簡単には死なないって言ってたもんね…?





【デイダラ】



『……!』





怖くてページの下の方しか見れてなかったけど、
次に捲ったページにはその名前が記載されていた。



上部には写真が掲載されてるはず。




視線を上に上げる。




ほら、死んでなんか……、





『え?』





載っている写真に、黒のペンで×マークが書かれていた。



……何これ?

落書きかなにか?



手で拭ってみても
それは消せない。





『……ッはァ……』




深呼吸、深呼吸……






“〇月〇日、自爆し絶命__”



『………』






まだ動かない体を無理やり動かし、ベッドから降りる。






そのまま窓に近づき、空を眺める。

今日は天気がいいみたい。


外、行こうかな……



綱手様からは動くななんて言われてるけど
痛くないし平気だよね







『……』




窓から隣の建物の屋上に飛び移る。


……忍服に着替えてこればよかった…裸足だし。






『……、ふぅ』



少し歩いただけでも体が動かなくなる。
痛い……のかな







「あら……A様?」



「こんにちは」




街にいる、いつもお世話になってるおばさんだ。
よくお菓子をくれる。




「そんな顔して…何かあったのかい……?
格好も……靴も履いてないじゃないか…」



『そうですか?変な顔してますか?私』




ふふ、と笑う。




「その服、病院服だろう?いいから、戻りなさい」



『……はい。では』



「あ、ちょ…そっちは違う方向……」




ペコッと挨拶して立ち去る。
最後まで言葉は聞かなかった。




今は病院には戻りたくない。






人通りの無い道を散歩する。




『う”っ……』


壁に手を付き、蹲る。
体が限界のようだ。





「A!!何してる……!!」



『……!』





この声はカカシだ。


ここで捕まってしまえばまた怒られるんだろうなぁ…





「目覚めたって聞いたから病室に行けば部屋はもぬけの殻だし、窓は空いてたし……心配するだろ」



『……ごめん』




俯いたまま、ゆっくりと立ち上がる。




「お前、まだ体が…?」



そう言って私の手を掴むカカシは
私の顔を見て固まってしまった。





「どうしたんだよ……」



『……』





この気持ちは、私にも分からなかった。






No.51→



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ルナ(プロフ) - 他作品にもコメントさせて頂いたのですが、最高すぎたのでこちらにも書かせて頂きます!!まだ途中までしか読んでませんが、凄く引き込まれて感情移入してしまいます(;ω;)私の語彙力が無く申し訳ないですが、これからも応援してま (6月22日 13時) (レス) id: 83652a64fb (このIDを非表示/違反報告)
メイドさん(プロフ) - あーもうやだ。デイダラ行かないでぇ!! (2023年3月14日 19時) (レス) @page47 id: 69b2886171 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクコーヒー(プロフ) - うおおお!!!みなさんありがとうございます(´;ω;`)今更コメントに気が付きました!!!!!めちゃくちゃ嬉しいです‪( ◜௰◝ )‬更新頑張ります!!! (2023年1月22日 20時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
辰巳晴香(プロフ) - 一番大好きな作品です!ドキドキします!更新、頑張ってください、応援してます! (2023年1月22日 13時) (レス) @page44 id: e3dc8f5aa4 (このIDを非表示/違反報告)
あああああああ - うわぁあああああ!!!デイダラ行かないでぇえええええ! この小説面白すぎて感情移入してしまいます。。最高すぎる (2023年1月21日 16時) (レス) @page43 id: 3c843779c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月18日 19時

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