Ｎｏ．４０ ページ41
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キレ出す私を無視してデイダラは続ける。
「それどころかむしろ喜んでくれる奴がいたそうだ…」
ククク、と笑うデイダラは悪党そのものだ。
「可哀想な嫌われ者同士
放っとけなかったか、うん？」
「我愛羅は “一尾” を抜いたから死んだ
お前もじきにそうなるんだよコラ…!!」
これで2回目だ。
デイダラがイラついた声を出しているのを聞くのは。
雨隠れの里の抜け忍を相手にボロ負けし、襲わかけていたところを彼が助けに来てくれた時以来だ。
「てめーらは…殺してやる…」
「…フン」
『わっ…!?』
抱えられ直され、思わず声が出た。
「待て……！っA……！」
『か、カカシ』
進み出した私たちを追ってくる2人。
追ってくるのは……きっとナルトを誘い出すためだ。
「……そんなにアイツんとこ行きてーかよ？…うん」
『エ』
行きたいって、ナンジャソリャ。
『いや、戻れるなら戻りたいんだけど…』
「黙っとけ!!」
『いや理不尽!!』
なにイライラしてんの。
「待てこの野郎…っ！」
ナルトもキレかけてる。
ってかキレてるわ。
「Aはお前なんかに渡さない……！」
「…、」
カカシのその言葉に、
デイダラの手がピクッと反応した。
「んっとに…気に食わねぇな、うん」
起爆粘土を鳥の形にし
カカシ目掛けて飛ばしたデイダラ。
＿＿ﾄﾞｫｫﾝｯ…！
「カカシ先生…!!」
「“渡さない” …？まるでコイツが最初っからお前のモンみてぇな言い草だな。」
「…！？」
『で、デイ……ッ』
声をかけようとしてやめた。
…初めて見る冷たい表情だった。
「この女。…取り返せるもんならやってみろよ…うん」
ペロッと私の首筋を舐めてみせたデイダラ。
ほんと、演技だけは上手いんだよな…
……で、ここからは私の番。
『どうして腕を、？』
「…我愛羅を捕まえるときにちょっとな。うん」
『な、ちょっとって、…』
言葉が見つからなくて、
口を閉ざす私をちらりと横目で見るデイダラ。
…ちょっと、鏡眼疲れてきた。
酷使しすぎて頭が痛い。
「…取るか」
『！…ありがとう』
私の気持ちを汲み取ってくれたのか、
目隠しを取ってくれた。
「…なに、泣きそうな顔してんだよ…うん」
『……してねーし』
「…」
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作者名：ミルクコーヒー | 作成日時：2022年12月10日 0時
