Ｎｏ．２５ ページ26
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「A!!動くんじゃねぇつっただろうが…!!」
『ヒィッ！』
ビシィッ！と指を刺され怒鳴られる。
あの形相で怒んないで…！
「んでお前らは…覚悟しろよ、うん」
そしてゆっくりと、
冷たい視線を男たち3人に向けたデイダラ。
いや、こわ……
こわっ!!
「フンッ！
岩隠れの若造に殺られるような俺たちでは無い……！」
「お前らを半殺しにして、抜け忍と木の葉の上忍の密会の噂を流してやるから楽しみにしてろ…っ！」
「バラバラにしてやるッ…！！」
するとデイダラは
ふぅ…と息をついたと思いきや
「お前らがそうなんだよ…コラ」
……と、地を這うような低い声が響いた。
「＿＿＿喝!!」
ﾄﾞｫｫｫﾝ……！
デイダラが印を結ぶ度にあちこちで爆発が起きる。
しばらくして、私を岩壁に縫い付けていた鉄製のロープが解け、地面に叩きつけられた私の体。
『う”っ…！ゲホッ…』
怪我ちょー痛い。
手のひら貫通した？してない？？
服もボロッボロ……
……ぼーっとしてきた。
「…A、
動けるか？」
『っ……』
白い鳥から降りて駆け寄ってきたデイダラに
そっと上半身を起こされる。とても優しい力で。
まるで割れ物を扱うかのような……。
さっきまでの怖い顔と声はどこに行ったの……
優しい声に安心したのか、じわ……と涙が溢れてきた。
別に怖かったわけじゃないし、
死にたくなかったわけでもない。
怪我の痛みだって慣れてるのに。
なにこれ。
「…、」
声を出せなくて、問いかけに応えようと首を振ってみせると、私の腰に着けていたポーチを漁り出したデイダラ。
そこから包帯を取り出した。
何であるって分かってんだ…
「忍なら大体持ってんだろ。包帯貰うぞ
オレは持ち合わせてねぇが…うん」
あれ？デイダラって自分のこと、オレって言ってたっけ…
包帯を手際よく患部に巻いていく。
昨日もしてくれたし、怪我の扱いには慣れてるのかな
「…直ぐ戻って来れなくて悪かった…、うん」
キュッ、と包帯を縛るとそう呟いたデイダラ。
『え、いや、アイツらは元々私の相手だったんだし…
忍の世界は勝つか負けるかしかないんだから…
私は大丈夫。こちらこそ迷惑かけてごめん』
「…帰るか」
『……りんご飴食べたかった』
「アホか、この馬鹿」
『それ悪口しか言ってない』
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作者名：ミルクコーヒー | 作成日時：2022年12月10日 0時
