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No.18 ページ19








『………ん、』



目が覚めると辺りは明るくなっていた。
今度こそ朝かな。




起きようと寝返りを打つと、間近に迫る整った顔。





『…ッ!?』



何事!?





冷静になって周りを見回してみる。


仰向けになって寝るデイダラの左腕の上に
私が頭を置いて寝ている。




なんだ、ただの腕枕か。
…ってちがーーーーう!!


何してんだ私は。



…なんて言いつつもどさくさに紛れ、
じっと彼の寝顔を見つめてみる。





『目でっか…顔の輪郭も唇も超綺麗…
鼻筋も通ってるし……』



…ただの美形か。
神様はなんて不公平なんだ。

女である私にも分けてくれたっていいのに。





『…あ、そうだ』



昨日から気になってたデイダラの首元と赤い何か。

怪我じゃないならなんだろう?と、
体を捩って覗き込んでみた。






『…………え?』




赤い……跡、だ。
これは人工的に…



『……、』


スッ、とその跡を指でなぞる。
やっぱり跡だ、お風呂も入ってたし汚れではない。


誰から付けられた?



…確か、フロントから戻ってきた時からだな。
ってことは、あの受付の女のどっちかか。




『…』


「…んっ」



無言で触り続けてたからか、デイダラが目を覚ました。



「…って近っ!」


『…』



仰け反ったデイダラをじっと見つめる私。



「え、どうした…?うん?」


寝起きで意識がハッキリしないのか、
黙ったままの私を見てアタフタしてる。




『別に??』


「……へ…?」




反応おもろ。

ベッドから降り、洗面所へと向かう。



…あの顔、絶対モテるよなぁ。
そりゃまあ仕方ないか。



私が昨日待ってた間、何してたのかなー…
なんて、考えてしまう。





「朝飯は?」


『お腹すいてない』


「…?」


『…お腹すいてたら、デイダラは食べに行って来れば』


「……、」





あからさますぎただろうか。
なんか嫉妬してるみたいで嫌になってくる。

…実際してるけど



……って!!いやいや、別に好きとかじゃないんだから…


……。




「…悪い夢でも見たか?うん?」



屈んで私の顔色を窺ってくるデイダラ。

そんな彼から顔を背けながら、
私は自分の着替えを取りに行く。




彼は私と入れ違う様にして洗面所に行き、
しばらくして戻ってくると


「んじゃ、出かけてくる、…うん」




と言って、傘と装束を羽織って出ていってしまった。






行かないでほしい…なんて言えたらな。


ってアホか私は!!



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作者名:ミルクコーヒー | 作成日時:2022年12月10日 0時

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