そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ10)

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歓迎会ページ10

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今日は新入社員の歓迎会も兼ねた親睦会。
正直飲み会とか好きじゃないけど、自分達の歓迎会のときは和也が本当に盛り上げ上手というか、ザ・可愛がられる後輩であってくれたからかなり救われたところがあった。

道枝「飲み会って皆さんいらっしゃるんですか？」

「そうだねー去年は結構いたかも。どうかした？」

道枝「いや、歓迎会って言われると緊張するなって」

「何か分かる気がするー。でも大丈夫だよ、一発芸強要されたりとかしないから笑」

道枝「えっ！？？」

そういう心配はしてなかったーと言わんばかりに苦笑いで、
その姿が妙に面白かった。

「まあでも、何かあっても和也がいるから」

道枝「大橋先輩ですか･･･？」

「うん、何か上手いんだよねー立ち回り？それに、うちの職場って部長が若いから、よくある飲み会パワハラとかもないし笑」

道枝「ええですね。大橋先輩。」

「いいのかな？笑まあ私は救われてたけど･･･」

道枝「いや、そういうんやなくて。先輩に信頼されてるのがええなって。」

ぼーっとどこか違うところを見てそういった道枝くんは
何を思ってそんなことを口にしたのか私にも分からなかったけど、
それが誰かに慕われている感覚が少し羨ましいと思う気持ちと似ているのなら、私が和也に対して少しだけ、感じるようになった気持ちと似ていた。

「私たちってちょっと似てるのかな」

道枝「えっ･･･？」

「何だろ、手に取るように道枝くんの気持ちが分かるときがある。勘違いかもしれないけどね？笑」

道枝「俺に似てたら･･･先輩が可哀想です。」

「可哀想･･･？」

道枝「自分で自分を下げることに慣れて、それが居心地良くなっちゃってるんで。そんな俺に似てるなんて可哀想です。」

あんなにくしゃっと笑うこともできるのに、
何でこの子はいつもこんな寂しそうなんだろうか——

「それの、何が悪いの？」

道枝「えっ、だって嫌やないですか？」

「人には色んな感情があって、誰しも同じじゃないの。だからね、仮に自分を守る方法がそのやり方なら、それは間違いじゃないよ。」

道枝「守る方法…」

「うん。でもね、もしそんな自分が嫌だなって変わりたいなって思う気持ちが1mmでもあるなら。道枝くんはきっと変われるよ」

道枝「そう、ですかね…？」

「うん、私が保証する…！さっ、仕事終わらせて歓迎会行こ？」

その言葉の後、
道枝くんはゆっくりこちらに視線を向けた——

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