そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ31)

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束の間の幸せページ31

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私の言葉に更に抱き締める腕に力がこもる
そのまま道枝くんに吸収されちゃうんじゃないかってくらい、、、

道枝「俺、待ってるんで」

「…？」

道枝「先輩がまだ、迷ってるの分かるんで…無理強いはしたないから。」

「道枝くん、らしいなぁ」

道枝「期待…しててええかな」

道枝くんの言葉に私は何も発さなかった。
ただ、私が出せる力を振り絞って道枝くんをぎゅっと抱き締め返す
それが私なりの答えだった——

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『話ってなんなん？』

「気持ちに応えたい人がいる。だから…ちゃんと私達別れよう…？」

『Aは律儀やなぁ…』

「律儀も何も、ちゃんと話出来てないから…」

『好きにしたらええよって言ったやん？戻りたくなったら戻ってきたらええって。』

「そんなの、できるわけないよ」

『どうやろ？そんなのわからへんやん？』

私には悪魔みたいな和也のその言葉の意味が理解出来なかったし、そんな事ある訳ないとこの時の私には断言できた。

とにかく和也は最後まで笑っていて、自信ありげで。
先が見えてるみたいな余裕のあるその反応がやっぱり私は怖かった。

でも、やっぱりだいすきだった人だから。
今も後ろ髪引かれる所が無いわけじゃないのは事実。
何だかんだ、私の事を全部分かってるのは和也なのかもしれないとさえ思う。
それでも彼から離れることを選んだ私の選択は
間違いじゃなかったと思いたい——

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あれから少し経って、私は道枝くんにちゃんと気持ちを伝えようと決めた。
本当に良いのかな、私で大丈夫かな、
そんな不安がよぎるくらい、彼が良い人過ぎて、
自分の過去を振り返ると躊躇してしまうところもあった。

でも･･･どんな私でもいいと言ってくれた気持ちに応えたい。
許されるなら隣に居たい。
そう思う気持ちはゆるぎないものになっていた。

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「道枝くん、今日夜空いてる･･･？」

道枝「え？！夜ですか！？空いてます！」

「勢い･･･笑」

道枝「えっ、だって仕事終わりですよね･･･？」

「うん、そう。話したいことあって。」

道枝「･･･！」

まだ何を話すかなんて何も言ってないのに、
サンタさんからのプレゼントに期待に胸を膨らませる子どもみたいに目をきらきらさせてる。

この瞬間から幸せだなぁと感じた私は、
きっと自分の状況にうぬぼれて、周りが見えなくなってたのかもしれない･･･

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