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１ヶ月前——
道枝「なんで１人になろうとするんですか」
「色々考えたい事あったのと、ここの景色気にいったからかな」
道枝「頼りにならんかもしれんけど、頼って欲しいです」
「えっ？」
道枝「最近笑ってるとこ見ないんで…」
「あー…ごめんね。機嫌悪く見えてる？感じ悪いね…気をつける。」
道枝「そういうことやなくって…」
上手く言葉に出来ないと言わんばかりに髪をかき乱して
困った表情をしていた道枝くんは意を決したように身体ごとこちらに向いて話はじめた。
道枝「俺が先輩のこと、好きですって言ったの覚えてます？」
「うん。覚えてるよ。」
道枝「今も変わってないんで。」
「そっかぁ。でも好きって言ってもらった時と、私が変わっちゃったかもしれないよ」
道枝「なんも変わってへんよ」
「そう？」
道枝「俺、こういう先輩がーとか、こういうとこがーやなくて。A先輩がA先輩だから良いんです。」
「……」
道枝「ほんまに、真剣なんで。」
「道枝くん…」
道枝「…こういうタイミングにつけこむんはずるいの分かってるけど、でも俺やっぱりチャンス逃したくないんで。」
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あの日また気持ちをぶつけてくれて、
それから何ら変わりなく過ごして来たけど
気付けばいつも隣に居てくれて
そんな道枝くんに惹かれない訳なんてなかった
いつかは伝えたい、そんな風に思いながらも言葉にはしていないのは——
伝える資格が私にはあるのか？そんなことを考えてしまうからだった
でも、隣を見れば道枝くんが笑ってくれている
それだけで十分すぎるくらいに嬉しくて、
その笑顔を見てると私も笑ってられるんだ——
道枝「にやにやしてどうしたんですか？笑」
「ううん、嬉しいなぁって。」
道枝「嬉しい？」
「うん。道枝くんが隣にいてくれて。」
道枝「それってどういう意味…？」
「そのままの意味だよ。」
道枝「それじゃ分からへん…」
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「私もわかんない。でも、嬉しいの。」
道枝「…先輩、抱きしめてもいい？」
「うーん…どうしよっかな…」
道枝「時間切れ」
背の高い道枝くんに抱きしめられると
身体がすっぽり埋まってしまった
「うー苦しい〜〜笑」
道枝「好き、めっちゃ好き」
「うん。」
道枝「A先輩、は…？」
「すき、かも」
ゆっくり、何かが動き出す――
はず、だった…
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作者名：fumi
| 作成日時：2022年5月14日 21時
