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ルメールの酒場が近付くにつれ雰囲気が不穏になっていくのをはっきり肌で感じた。
部下が早い段階で報告してくれたからまだ大事にはなっていないのは不幸中の幸いと言ったところだろうか、何れにせよ早急に解決しなくてはいけない。
怪我人が出ましたなんて事になったら私の給料はまず間違いなく減る。つまり部下の給料も減ってしまう。それだけは避けなくちゃいけない。
『ッお邪魔し』
「__もっと強ェの持ってこないとお前の頭ブッ潰すぞ!!良いか!!この国で一番の美酒をオレに飲ませろ!!!!!!」
冷静に考えて、たかが酒ごときで頭ぶっ潰す宣言をしてしまうこの男はどう足掻いてもヤバい奴なのだが、行動動機を全部説明してくれているという点においてはかなり有難い。馬鹿相手が一番やりやすい。
入店の挨拶を邪魔され出鼻をくじかれた感は否めないが、店の奥で頭を抱え震えるルメールの頭がぶっ潰されないためにも私が頑張らなくてはいけない。
とは言えこのデカブツは黙って倒されてくれないだろう、ブモオオオ!とか言って反抗してくるに違いない。そうしたら商館全体が不穏な空気に包まれてしまう。
最適解を、探さなくてはいけない。
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『……あの、酒、一緒に飲みません?』
私の正解は、多分これだ。
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あまね(プロフ) - すきだぁぁぁぁ (10月11日 21時) (レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください、応援してます!*\(`•ω•´)/* (2021年12月30日 12時) (レス) id: bdd88dda29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鳴々 | 作成日時:2021年9月15日 0時