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「大変ですA様、ルメールの酒場の金品が全て盗まれてしまったらしいです！」
「どうしましょうA様、賭場のオーナーが『壁紙を張り替えたいので人を貸せ！』と王宮の前で駄々をこね続けていると衛兵から連絡が入りました！」
「A様、闘技場に新しく作る国王様の石像の資料案ができました、確認お願いします。」
「A様、ジャーファル様がお呼びです。」
『ああああ〜〜〜朝からうるせ〜〜〜〜〜(落ち着いてください、優先度が高い順に対処します。皆さんは焦らず自らの仕事を終わらせるように。)』
「A様、声に出す方間違えてます！」
シンドリア王国の王宮にある白羊塔、更にその中でもかなり端の方にある作業室。精鋭30名で構成される我ら国営商館管理官はそこで日々仕事をしている。
管轄としては一応文官、内容は上記したような会話が飛び交う雑用係。一般国民が想像する文官像とはかなりかけ離れているだろう。何度でも言うが、それでも私たちは文官なのである。
29人の部下は皆仕事熱心で誠実、非の打ち所などは皆無である。八人将ほどカリスマ性はない私だが、なんとかリーダーも務めさせていただいている。
そして私たち国営商館管理官には別名があって＿＿
「A様、賭場の主人がそこまで迫ってきております！衛兵に捕まってしまってはあまりに可哀想なので管理室に通しても宜しいでしょうか？！」
『ダ、ダメに決まってるよ？！ああーもう、君と君と窓際の君、壁紙張りの手伝いに行ってきなさい！書類は肩代わりします！』
国営商館管理官、別名「一番国民との距離が近い官」。
雑用・警備・客引き＿＿まさになんでもござれ。シンドリア王国で一番緊張感がない官と言われても正直否定はできない。
『良いですか、壁紙を張り終えたらすぐに帰ってくるんですよ。』
「はい！」
『尻にしまった財布を置いていきなさい！』
これはそんな少し変わった官の物語……。
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あまね(プロフ) - すきだぁぁぁぁ (10月11日 21時) (
レス) @page18 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください、応援してます！*\(`•ω•´)/* (2021年12月30日 12時) (レス) id: bdd88dda29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳴々 | 作成日時：2021年9月15日 0時
