ブルーラグーンを貴方に マスケチャ ページ44
傷つけたかったわけじゃない。
発端は些細な事だ。
オレがケチャのクッキーを食べてしまった事だった。
いつもなら許してくれるが、珍しく機嫌が悪かったらしく、怒られてしまった。
更に運悪く、オレもその時気が立っていたんだ。理由はもう忘れた。
まぁ、そんなくだらない理由で喧嘩が起こったんだ。
そこでオレは思ってもいないことを言ってしまった。
「これだから、付き合うってのは面倒くさいんだ…。」
気付いた時にはもう手遅れだった。
ケチャ、と手を伸ばしたが振り払われた。
「それなら、別れるさ。」
ケチャは泣いていた。
ショートカットを使ったケチャがどこに行ったのか、オレは分からなかった。
######
「なぁ、グリルビー。オイラってどう思われてたんだろうか。」
いつもは客がたくさんいる店内は、夜遅いと言うこともあって、グリルビーとケチャップの二人だけだった。
「オイラ、マスタードに面倒くさいって思われてたんだな…。自分だけが一喜一憂して、バカみたいだ。」
グリルビーは何も言わなかった。
「俺…また一人か。」
自分が、本当に一緒に生きたいと思った人物はパピルス以外、マスタードしかいなかった。
「さみしいなぁ…。」
自然と涙が零れていく。
ケチャップの意識は夢に沈んだ。
######
「んぁ…？いつの間にか寝てたのか？ん？」
意識がまどろみから浮上したケチャップの目の前には、頼んだ覚えのないカクテルがあった。
透き通った青色のカクテル。
ちら、とグリルビーに目をやると、あちらのお客様から、と言わんばかりに、ある方を指差した。
「なっ、」
「よぉ。」
ケチャは心底驚いた顔をしていた。
「どうして…」
「どうしても何も、迎えに来たんだよ。……。その…。ごめん。」
「………っ。うぅ…俺も…ｸﾞｽｯごめん！！」
酔っているのか大粒の涙を流しながら泣きじゃくるケチャを、かわいいと思ったオレは悪くない。
「ｸﾞｽこれ…何てカクテルだ…？」
「ブルーラグーン。色がお前みたいに綺麗だろ。オレからお前への気持ちだ。」
「////うるさい…。」
トビラを開けて外に出る。スノーフルは雪が降っていた。
ブルーラグーンのカクテル言葉は『誠実な愛』こんなこと死んでも言わないが、お前に対する気持ちはこのまんまだ。
ふと、ケチャの手を握ってみた。
繋いだ手は今度こそ振り払われずに、きゅっと握り返された。
おめでとう！夢兄弟！ ナイクロ ドリクロ エピクロ→←病室の花瓶 解説
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フルですが何か(プロフ) - 雪猫さん» ありがとうございます。私の名は…アルセウs(( (2022年12月4日 9時) (
レス) id: 954ab8f47c (このIDを非表示/違反報告)
雪猫 - 控えめに言いますが、こんな神小説を作れる貴方は神ですか？ (2022年12月3日 23時) (レス) @page38 id: 2545b5943c (このIDを非表示/違反報告)
フルですが何か(プロフ) - あみさん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！吐血します！ｶﾞﾊｯ (2022年8月10日 22時) (レス) id: 954ab8f47c (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - え、尊いです。神です。ありがとうございます。好きですこの作品 (2022年8月10日 22時) (レス) @page5 id: f9f5f478c6 (このIDを非表示/違反報告)
フルですが何か(プロフ) - チキンライスさん» おお！ありがとうございます！！わざわざ来てくださって嬉しいです！ (2022年6月21日 21時) (レス) id: 954ab8f47c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
