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「苦手？」
「そうだったんですか？
学院に居た頃は、Aさんがよく凪砂くんのお世話を焼いていた気がしますけど……」
『具体的な理由を聞かれれば、それは言えないんだけど……』
Aが「う〜ん」と暗い顔になっていくので、真緒は話を逸らそうと話題を変える。
「ともかく、俺は生徒会の役員だから知ってるんだけど、けっこう今回の企画書が通るまでに紆余曲折があってさ〜、大幅に軌道修正されてるみたいなんだよな。
あんずの企画書が本来、意図してた内容とはだいぶ変わってきちゃってる気がする。
何か１週間後、秀越学園とかの系列校のアイドルが集まる『オータムライブ』ってのがあるらしくてさ、そこに、『Trickstar』がゲスト枠で参戦するってことになってる」
「おっ、系列校ってことは玲明学園……ってか『Eve』も参加するのかな？」
「さぁ、そこはスケジュールが合うかどうかじゃね？
あのひとたち売れっ子だし、『Adam』に比べるとTVとかでの露出がおおくて忙しそうに見える。
とにかく、夢ノ咲学院でいうと『S1』みたいな大規模なイベントに、俺たちも混ぜてもらえる〜みたいな感じだな。
１対１の直接対決、みたいにはならない気がするぞ」
真緒はこのライブに思うところがあるのか、難しい顔をして考え込んでいる様子。
「何もかも自分達に都合が良いように、思った通りにいくなんて考えちゃいなかったけどさ。
な〜んか、誰かの手のひらの上で踊らされてる気がするんだよな。
生徒会室で言動を見てた感じ、会長もあんまり釈然としてないみたいだし。
あのひとの仕込みでもないとしたら、いったい誰が何のために企画書をねじ曲げたんだろ」
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年3月7日 1時
