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１週間後、『fine』と『UNDEAD』のバカンス当日になった。
旅行の準備をして、集合場所へ向かおうと家を出ると、すでにバテ気味の零が待っていた。
「うぅ〜……なんで今日に限ってこんなに陽射しが照りつけておるんじゃ……」
『だから家で待っててって言ったのに。
ほら、とりあえず冷たい水ね』
歩きながら零の世話をするAも、夏の暑さの中、汗で服が肌にへばりついている。
零に合わせてゆっくり歩いているせいか、集合時間は当然のように遅れる。
途中、限界がきた零を引き摺っていると、羽風に出くわした。
「え、Aさんと……朔間さん？
どういう状況？」
『ごめん羽風くんっ……さすがにちょっと助けてほしいかも……』
Aがそう言うと、羽風はすぐにAの代わりに零を担ぐ。
「大丈夫？こんな暑い中で、自分よりデカい男を連れてくなんて、さすがのAさんでも無茶だよ」
『う〜ん……零ちゃんを引き摺るのは割と慣れてたつもりなんだけど、やっぱり夏の暑さは体力が奪われちゃうなぁ。
羽風くんがいてくれて助かっちゃった。ありがとうね』
「Aさんのためなら、これくらいお安いご用だよ♪」
「うぅ〜……薫くん、優しく運んでおくれぇ……」
零がダウンしているのを見て、Aは自分の鞄に入れてきた暑さ対策のための道具を零につける。
「それなに？」
『零ちゃん用に、冷たい水と、冷して首に巻くタオルに、ハンディファン、あとは汗ふきシートかな』
息をするように零の世話を焼いているAを見て、「勝てない」と察した羽風はそれ以上何も言うことがなかった。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年1月6日 13時
