【あんスタ】貴方の愛を求めます５【朔間零】 (ページ31)

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「念のために言っておくとさっきのは独り言じゃないよ。

あんずちゃんに聞かせるために声を出して喋ってたんだ」

話がようやく戻り、あんずが気まずそうに英智の横から顔を出した。

「おや、あんずの嬢ちゃん。相変わらず気配のない子じゃのう」

『英智くんの陰に隠れてて気付かなかったよ』

「ふふ。この子は『プロデューサー』だしね。

アイドルと同じくらい目立てと言っても無理な相談じゃないかな。

それよりも朔間……くん。こんな陽射しの下を歩いていて大丈夫なのかい？」

「うむ。Aに日傘を差して貰っていてもなおキツいからのう。

『サマーライブ』の様子をちらっと見たら帰って休むつもりじゃよ。

今日はAが家に夕食を作りにきてくれるから、それまでのう。

羨ましいかや？」

「うん。太陽に焼かれて灰になってしまえばいいのにと思うくらいには」

『いちいち喧嘩しないと話が進まないわけ？』

Aがそう言えば二人は睨み合いをやめステージに目を向ける。

ステージ上では、『Eve』と『Trickstar』のパフォーマンスが行われているというのに、まるでその場は『Eve』のステージのようになっており、『Trickstar』は完全にバックダンサーと化している。

それには、お小言の一つや二つも出てしまうというものだった。