【あんスタ】貴方の愛を求めます５【朔間零】 (ページ19)

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歩き続け、いよいよ賑やかな声も聞こえないほどの距離にまでなり引き返そうとした時、Aが徐ろに海の方を指さし靴を脱いで海に入って行く。

「どうしたんじゃ？」

『見て見て！シーグラス見つけた！』

月明かりに反射されて海の中で光っていたものが気になったAは、浅瀬に足をつけ無邪気に手にしたシーグラスを零に見せつける。

幼い子どものようにはしゃいでいる姿は、普段のしっかり者で面倒見の良い年上のお姉さんのような風格は一切感じられない。

零はそれを愛おしそうに見つめ微笑む。

「まったく……普段の態度とは大違いじゃな」

『零ちゃんしかいないんだからいいでしょ？

あははっ！冷たくて気持ち良い～！あ！綺麗な貝殻！

昔、りっちゃんがこういうのお土産に持っていってあげたら、加工してブレスレットとかにしてくれたことがあったっけ～

『お姉ちゃんによく似合うと思って』とか言ってさ。器用だよね～』

「なにそれ、我輩知らない」

足を海水につけたままバシャバシャと歩くので、零の小さな嘆きはAの耳には入らなかった。