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『七夕祭』を無事に終え、夏の長期休暇に入りいよいよ夏本番の暑さになってきた頃、Aは今、学院近くの海に来ていた。
それも遊びではなく、勿論プロデューサーとしての仕事の一環である。
「あ〜…………」
「どうした大神、口から魂がでているぞ」
「う〜…………」
「さすがに暑くて参るな。『UNDEAD』の黒い衣装は熱を吸収するから、ちょっとした我慢大会だ。
この表現は、適切だろうか？
さっき、衣更先生が冷たいスポーツドリンクを差し入れてくれたから、飲め。
すこしは『まし』になるだろう、大神」
「だぁああ！うるせぇええ！こっちはクソ暑苦しくて苛々してんだよっ、放っとけ！」
「騒ぐと余計に暑くなるぞ、大神」
黒を基調としている『UNDEAD』のユニット衣装を身に纏い、夏の太陽の下にさらされている状態はサウナに近いものを感じる。
「夏休みだろうがよ、何で俺様たちが人混みで鬱陶しいビーチなんぞで働かなくちゃいけね〜んだよ！？
久し振りにライブができるっつうから張り切ってきたのによう、海の家で接客したり砂浜のゴミ拾いしたり……
これが『UNDEAD』の、つうかアイドルの仕事かよ！？」
「文句なら、この仕事をとってきた先輩たちに言え。
というか、不平不満を口にできるほど働いていないだろう。
真面目にやらんと、怒られるぞ？」
『そうだよ〜。真面目に頑張ろうね、大神くん？』
後ろから声をかけられ、大神はビクッと肩をふるわせた。
背後には、笑顔のAが立っていた。
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作者名：もぶピ
| 作成日時：2023年1月6日 13時
