【あんスタ】貴方の愛を求めます４【朔間零】 (ページ48)

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屋上へ辿り着くと、屋上の薄暗がりの中に座ってこちらに手を振る日々樹の姿があった。

『お待たせ。頼み事ってなにかな？』

「起こしてしまってはいけないので小声で失礼しますね」

『え？……あ』

よく見れば、日々樹の隣にはスヤスヤと寝息を立てて日々樹にもたれかかっている英智がいた。

「私、これから英智を自宅へ送り届けようと思うのですか、司会の際に使った気球が燃料切れでして。

燃料を入れている間、英智を見ていてはくれませんか？」

『えっ！？わ、私が…？』

心底嫌そうな顔をすると、日々樹は面白おかしく笑みを浮かべる。

「おやおや～あからさまにお顔を歪めましたね？

いいではないですか～一度は愛し合った仲なんですし、今もまだ２人の小指には赤い糸が繋がっているかもしれませんよ？」

『英智くんとの赤い糸は、二度と結ばれないよう小指から切断したつもりだから。

それに、零ちゃんのこと待たせてるの。迎えなら、家の人に連絡してあげればいいんじゃ＿＿＿＿

……って、あれっ！？』

瞬きをしたその一瞬、どういうトリックかAと日々樹の位置が入れ替わり、Aの肩には英智がもたれかかっていた。

『ちょっ、なんで……っ』

「シーッ、英智が起きてしまいますよ？そのまま眠ってもらっているほうが、都合がいいのでは？」

『そ、それはそうだけど……』

「では、少しの間よろしくお願いしますね……♪」

そう言うと日々樹は満面の笑みを浮かべ屋上から去ってしまった。