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「___んあ〜、衣更先生って、やっぱり委員長のお姉さんやったんやなぁ。
面倒見の良いとことか、見た目の雰囲気もそっくりやもんな〜」
『え〜そう?私と真緒ってそんなに似てるかな〜?』
影片に真緒と似ていると言われ、嬉しいのか両手を頬にあてながらにやつくA。
「弟さんのことめっちゃ好きなんやな〜」
『え?なんか言った?』
「ううん。あ、そや、おれ今日これ提出してくるよう、お師さんに言われとったんよ」
そう言って影片が取りだしたのは、あんずが企画する『S1』の『七夕祭』の出演申請書だった。
『君たちも『七夕祭』に出演してくれるの?』
「おれら、あんまドリフェスには出演せーへんねんけど、今回ばっかりはそうもいかへんくて……」
影片の表情を見て何かを察したのか、Aは真剣な眼差しになる。
『昨日、英智くんに何か嫌なことでも言われた?
私は外にいたから話の内容までは知らなくて……』
「まぁ、こればっかりは『Valkyrie』の問題やし、ほっといてくれたらええよ。
……それ渡せたし、そろそろおれ、お師さんとこ戻らな」
『あ、うん。ちゃんと運営責任者のあんずちゃんに渡しておくね。
斎宮くんにもよろしく伝えて』
「そのつもりやで。ほな、さいなら〜」
影片はそう言うと笑顔で手を振りながら斎宮のもとへ戻って行った。
『ふふ、素直で良い子だなぁ影片くんって』
「それは浮気と肯定してもよいのかえ?」
『〜っ!?』
突然背後から艶気のある低い声が耳元で聞こえ、Aの背筋に霜が降りたように冷や汗が伝った。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年10月2日 23時