【あんスタ】貴方の愛を求めます４【朔間零】 (ページ12)

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『はい、衣更です』

嫌な予感がしつつも、仕事の電話に素早く対応するA。

「あ、衣更さん、今ちょっと平気？」

『はい、大丈夫です』

「実は、今度の音楽番組に出演するアイドルの選定を衣更さんに任せることになったの。

それで、出来たらなんだけど、今から事務所に来て資料とか確認してほしいのね。

講師の件とかで忙しいのはわかるけど、お願いできる？」

上司にそう言われれば、下っ端のAは首を縦に振るしかない。

『光栄です。ぜひやらせてください』

「そう言ってくれてよかった。それじゃあよろしくね」

ツー…ツー…と無機質な音が聞こえ、Aはそっとスマホを降ろし力なくベッドに座り込む。

数分、自分のスマホを見つめた後、力ない指で通話ボタンを押した。

『……もしもし』

「おぉ、Aか。どうしたんじゃ？

我輩たちは丁度今から嬢ちゃんの作った衣装に着替えに行くところじゃよ」

電話越しに聞こえる零の声。

その後ろからは大神や羽風たちの声も聞こえてくる。

申し訳なさで胸がいっぱいになりながら、Aは感情を押し殺すように口をゆっくり開いた。

『ごめん、零ちゃん……。

仕事で、「学院祭」行けなくなっちゃた……』