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真緒の部屋に行き静かな場所で話をすることにしたA。
顔に小麦粉がついているが、お構いなしに真緒の話の続きを真剣に聞く。
『何があったの?』
「姉ちゃんが生徒会室を出た後、実は『Trickstar』も生徒会長に呼び出されてて、そこで会長から、解散するように言い渡されたんだ。
解散とは言っても、引き抜きって形らしくて、俺は『紅月』に、真は『Knights』、北斗とスバルは、『fine』に移籍しろってさ。
俺たちはバラバラになっちまうけど、将来のことを考えると、そういう道も有りなんじゃねぇかなって思ってる」
真緒の話を聞いて、Aはしばらく黙り込んでしまった。
驚きが半分、失望が半分といったような表情で、真緒から視線を外し溜息をついた。
『そう……アンタたちだけは、英智くんの思い通りにはならないと思ってたんだけどね』
Aはそう言うと、立ち上がり部屋を出て行こうとする。
「姉ちゃん……?」
『あの『fine』のライブを見て自信を無くしてしまうほどなら、最初から革命なんて無理だったのかもね。
ガッカリだよ、真緒。アンタは、私と違って何でも出来たはずなのに……』
Aはそれだけを言い残し部屋を出て1階へ戻って行った。
その日から、衣更姉弟のギスギスした関係が続いた。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月5日 1時