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「とにかく、1週間後の『S1』には、外部からも客が来る。
つまり、たくさんお一般人の女の子もくるわけじゃ。
その子らをおぬしのファンにするため、みたいな方向でやる気をだしてくれんかのう〜?」
「う〜ん……。そっちはそっちで魅力的だけどね。
まったくもう、朔間さんにはかなわないな〜?」
零の説得で羽風はようやくAから身を引く。
「まぁいいや。今日のところは、勘弁してあげよう!
けど練習はパスね、これからデートの約束があるから。ばいば〜い♪」
そう言うと羽風はAに目配せをしながら零から逃げるように去って行った。
「……逃げよった。まったく、名前のとおり薫風のごとき男じゃのう?」
『彼、結構噂どおりの子みたいね。私なんかにまで手を出そうとするなんて驚いちゃった』
「”なんか”ではないじゃろ。
Aは我輩が知る限り、最も魅力的な女性じゃよ。薫くんが目をつけるのも時間の問題と思い、Aのことは一切言わなかったんじゃがのう〜……
こんなことなら、初めから我輩の物だと誇示しておけばよかったわい」
そんなことを言う零に呆れつつも、Aは助けてもらったこともあるので何も言わないでいた。
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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月5日 1時