【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ9)

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保健室までやってくると、保健室の担当である佐賀美陣が真っ昼間からビールを飲んでいる姿を目撃してしまう。

しかし、生徒にそんな姿を見られてもなお、お構いなしに飲み続ける。

「おー、どうした？」

『この子が具合悪そうにしてて』

「あぁ、天祥院か。そっちのベッドに寝かせてくれるか？」

『あ、はい』

Aは天祥院と呼ばれるその男子生徒をベッドにそっと降ろし横にさせる。

「天祥院、どうする？家の人に迎えにきてもらうか？」

「大丈夫ですよ、英智くんゲージもまだそこまで減っていないですから」

「んじゃ、回復するまでここで休んでいけ。

俺はこれから職員会議あっから、なんかあったらその子に言ってくれ」

『んぇ！？私ですか！？』

「んじゃよろしく～

いやー、青春だねー」

そう言うと佐賀美は保健室を出て行ってしまった。

保健室に静けさが伝う。

「ごめんね、君には迷惑をかけてしまったね」

『いやいや、迷惑だなんて。

あの場面で放っておくなんて出来るわけないし、あんまり気にしなくていいから』

Aはそう言うと天祥院が寝ている横のベッドに腰掛けた。

「迷惑をかけたお詫びをしないとね……

名前を聞いても？」

『あ、私は衣更A。音楽科の３年です』

「Aさん……そう。……うん、覚えたよ。

僕は天祥院英智。アイドル科の２年生だよ」

『ふふ、よろしく』

「こちらこそ」

ベッドに横たわる天祥院は、とても儚げに笑みを浮かべる。

それが不謹慎ながらも、とても美しく感じてしまった。