５０ ページ50
「おかえりA。あら、真緒と一緒じゃなかったの？」
『真緒は生徒会の仕事で遅くなるって朝言ってたよ。
最近あいつ、何かやたらと忙しいみたいだし』
そう言って着替えるため部屋に戻り、化粧なども全て落としてダラダラし始める。
しばらく経って外も完全に暗くなった頃、弟がようやく帰ってきた。
「ただいまー……」
『真緒、お帰り』
「あぁ、うん。ただいま」
疲れ切った様子の真緒は、フラフラと部屋へ向かう。
『そういえば、今日『Trickstar』の子たちと会ったよ』
「え？」
Aがそう言えば真緒は足を止めてしまう。
「……あぁそっか、姉貴は明日から特別講師として学院に来るんだっけ？
生徒会でも、今日その話があったような……」
『美人で若い女の人が特別講師として来るらしいぞー、って盛り上がったんじゃない？』
「残念、誰もそんなことは言ってませんでしたー」
『生意気な……』とAはボソッと呟く。
「そもそも、生徒会のメンバーはほぼ姉貴の知り合いだろ？」
『そうは言っても、今いるのは蓮見くんだけでしょ？
彼だって私が戻ってきたことを知ったら、嬉しさのあまり眼鏡の一つや二つかち割ると思ったんだけど』
「確かに、副会長は動揺してたけど……「嬉しい」とはまた違う感情だと思うな、アレは。
……つーか、やっぱり会長が今いないこと知ってて示し合わせたんだな」
真緒の言葉にAは素知らぬ顔をした。
『さて、何のことやら』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 330人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もぶピ
| 作成日時：2022年9月1日 21時
