【あんスタ】貴方の愛を求めます【朔間零】 (ページ34)

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卒業式が終わり、Aと零は歩いて家まで帰っていた。

鞄や重いものの類いは零が持ってくれてはいるが、薔薇だけはAが持たされており、帰り道に近所の人たちが微笑ましそうに２人を見ていた。

『これ目立つんだけど……』

「だろうな♪」

『なんでそんな機嫌いいわけ？』

零はAからもらった……正確に言えば分けてもらった８本の薔薇を大事そうに抱えながら、スキップ気味にAの横を歩く。

「そういや、いつから仕事始まんだ？

たしか、大学には行かずに就職したんだろ？」

『うん。先生たちが色々手伝ってくれてね。

来月から老舗芸能事務所の『Rhythm Link』の音楽プロデューサーとして働けるんだ♪

すっごく楽しみ！』

「よかったじゃねぇか。おまえならどこでも上手くやっていけるだろうしな」

零に褒められ得意げな顔になるA。

『でも、それもこれも全部零ちゃんがいてくれたからこそだよ。

本当に感謝してる。

だから、困ったことがあったらいつでも言ってね。

一足先に社会人になるんだし、できることなら何でもしてあげるから』

「んじゃ、その時が来れば頼らせてもらうぜ」

そして「その時」は、案外すぐに訪れることになるのだった＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿