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天祥院に頼まれ、音楽プロデューサーとしてドリフェスの音響などを任されていたA。

当然、念入りに機材などを確認し、準備は万端だった。


公正にドリフェスが行われるよう、その後は放送委員の者達に任せるように言われていた。

それにはAも同意し、大人しく観客席で観戦することにした。


結果がどうであれ、Aは天祥院を応援するつもりでいた。

不穏な動きばかりしている天祥院だったが、恋人として彼の味方をするのが当然だと思っていた。


しかし、『Valkyrie』のライブが始まり数秒後、パフォーマンスの最中に放送機材が全て停止するという問題が発生した。

非常事態に対応しきれず、『Valkyrie』は『fine』に惨敗。



おかしいと思いドリフェスが終わった後、こっそり機材を確認したがどこにも不備は見当らない。

それどころか、誰かが意図的に機材を停止させた痕跡すら見つかった。








『そんな……一体誰がこんなことっ』








天祥院にこのことを伝えたが、まるで全て知っていたかのように天祥院は笑っていた。

そこで気付いてしまった。


全ては、彼の目論見通りの展開だったのだと。

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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月1日 21時

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