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『消えた……不思議な人だね。

零ちゃんの友達って、あんな人ばっかりなの?』

「まぁな。面白ぇやつはAも好きだろ」








零はそう言うと、バイクにまたがりAにヘルメットを被せる。

零のものとは明らかにサイズが小さい女性用のヘルメットは、A専用に零がいつも持っているものだった。







「んじゃ、帰るとするか」

『安全運転でお願いね。ただでえバイクなんて校則違反なんだから』

「俺がお前を振り落とすわけねぇだろ?

しっかり捕まっとけよ」








バイクが発進し、学院を出る2人。

風に乗って漂ってくる零の香りが懐かしく感じる。


少しでも一緒の時間が増えるよう、少し遠回りをしながら家路についた。








「すっかり暗くなったな。家に誰かいんのか?」

『うん。もうみんな帰ってきてると思う。

ありがとね、零ちゃん』

「別にこれくらい当然だろ」

『男前なこと言っちゃって』

「実際、男前だからな」








零はそう言うとヘルメットを被りなおした。








「んじゃ、俺も帰るわ。

……あ、そうだ。明日の弁当、カツサンド入れてくんね?」








笑ってそう言う零に、Aは微笑み返した。








『フフッ、もちろん。

トマトジュースも持って行くね』

「最高だな。んじゃ、明日な」

『うん、おやすみ』








零はAが家に入ったのを見送った後、自宅へ浮かれ気味に帰って行った。

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作者名:もぶピ | 作成日時:2022年9月1日 21時

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