・お見合い ページ4
・
「自分で言うのもどうかと思うんですけど……。」
「え……?」
「何度かお見合いしたんですけど、見た目でしか判断してもらえなくて、なかなか運命の女性に辿り着けなくてあの写真にしたんです……。だけど、あの写真にしたら、逆に誰もお見合いなんてしてくれなくなっちゃいました。」
「そうだったんですか……。」
裕太さんは眉を下げ、悲しそうな顔をした。
けれど。
「真凜さんが初めてだったんです。あの写真とプロフィールでも会ってくれた人。」
「えっ、初めて……?」
「ふふっ、そうなんです。」
ぱあっと明るい表情に変わり、ニコニコと心から溢れる笑顔を見せられたら、惹かれてしまうからやめて欲しいのに。
「真凜さんが俺の運命の相手なのかなって。ふふっ、初対面で重いですよね、すみません。」
「いえ……そんなことないです……。」
騙している私のことを運命の人だなんて言うから、途轍もなく胸が痛んで、申し訳ない気持ちで目を合わせられなくなってしまった。
「真凜さんの趣味とか聞いてもいいですか?」
「はい、えっと……」
その後の会話はよく覚えてない。
やっぱりお見合いなんて断ればよかった。
どうして私はこんな素敵な人を騙すようなことをしてしまったんだろう。
良い人だからこそ面と向かって真実を明かすことを躊躇ってしまい、結局そのまま私は最後まで真凜になりすましたまま裕太さんと過ごしてしまった。
帰り際に連絡先を交換したから、暫くしたら交際を断ろうと思っていた。
裕太さんの顔を見なければ正直に真実を伝えて謝罪ができると思っていた。
だけど現実は違った。
◇ ◇ ◇
「A!部長宛てに玉森さんから連絡が来て、素敵な娘さんですねって良い返事があったそうだよ。」
「そう……。」
確かに裕太さんはとてもいい人だし、笑顔も可愛らしくて、私なんかじゃつり合わないくらい素敵な人だった。
お付き合いできるものなら、したいと思ってしまったけど。
だけど……私は真凜じゃない。
裕太さんが写真を見て気に入ってくれた真凜ではないから。
加工なんかでもなくて、完全な別の人間だから、もう裕太さんと会う資格なんて、私にはないんだ。
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にかみつば(プロフ) - 好きさん» コメントありがとうございます☺️私も北山くんの彼女になりたいですー✨どうしたらなれますかねぇ😭 (2022年3月14日 22時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
好き - 正隆の彼女になってみたい みっくんの彼女になってみたい 全部なってみたい (2022年3月5日 4時) (携帯から) (レス) id: 63b7d0fc4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にかみつば | 作成日時:2021年11月23日 15時