今日も誰かに恋してる。２

・お見合い ページ3

・



それなのに・・・








目の前にいる裕太さんはスラっとした長身で、甘いマスクにスーツが似合う、爽やかなイケメンだ。






どうして別人級な人が現れたのかわからないけれど、こんな素敵な人に嘘をつくなんて、絶対にバチが当たる気がして怖くなってしまった。







「真凜さんって、写真で見るよりも大人っぽいですね。」


「えっ……！！あっ、よっ、よく言われるんですっ！急に老けたねって。」


「………え。」


「え？」



私が真凜じゃないってことがバレると思って、必死に誤魔化したのに。





「ぷっ……ふふ、ふははっ。ヤバい、真凜さんが面白いっ。」



って裕太さんにすっごい笑われて。







えっ、なにがそんなに面白いの？






そんな笑うようなことも笑われるようなことも言ったつもりはないんだけど。






だってハタチ過ぎた女の３歳の差って、確実に肌に出るし、真凜の若さは私にはないから、裕太さんにバレないか不安で必死なだけなのに。







ボロが出ないうちに早くお見合いなんて終わらせたいのに、親同士は既に親戚かのように親しく盛り上がっちゃってるし。






昔のドラマなんかでよくある、“ あとは若いお２人で…… ” っていう流れに持っていかれてしまった。






フォローしてくれる両親もいなくなって、更に不安が押し寄せてくる。










◇ ◇ ◇










「あの……俺の写真とかって見ましたよね？」


「はい、見ました………けど、とても雰囲気が違いすぎて正直、驚いてしまいました。」


「ふふっ、ですよね。実はあの写真、加工してもらったんです。騙したみたいになってしまって、本当にすみませんでした。」


「え、加工……？」




インスタとかなら別人級な加工もわかるし、良く見せる為の加工ならまだしも、お見合いの写真でブサイクに加工するって、どういうことだろう。





あれは誰がどう見ても、裕太さんの原型はゼロだと思う。

・お見合い→←・お見合い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す