先輩、好きですけど？【瀬名泉】 (ページ15)

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episode 14 ページ15

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今でも、すぐに思い出せる。

「……！」

あの人がまだ、俺のことを『いずみくん』って呼んでたとき。

「……ｯ！」

俺がまだ、あの人のことを「A」って呼んでたとき。」

「……セ……ｯ！」

＿＿＿＿＿＿＿私と、約束してほしいの。

「セナッ！！」
「っ！？」

はっとして目の前に目を向ける俺。そこには、真剣な顔のれおくんがいた。

「れ、おくん……ごめん、何？」
「おまえ、なんか変だぞ？ずっと名前読んでんのに全然気づかないし！」
「うん、おかしいのかも。」
「！？」

気づけば、辺りに先輩の姿は無い。きっと声をかけてからいなくなったんだろうけど、全然覚えてない。

「もしかして、年上幼なじみとなんかあったのか？」

こんなときだけ……いや、いつもか。勘があたるれおくん。

「違う。今日のセリフ思い返してただけ。」

まあ、だからといって本当のことを言う義理は無いけど。

俺の返答に少し怪訝そうな顔をしたれおくんは、すぐにいつものへらへらした顔に戻り、そっかそっか、と言った。

「それより、俺は昼飯を誘おうと思って探してたんだ！まだかかりそうだから出てきて良いって！」
「ん、いいよ。ちょっと待ってて。」

一言答えると、先輩を探しに行く。

どうしても、一言言いたいことがあったから。

「先輩！」
『あっ、瀬名くん。』

ひらひらと手を振っている先輩。その隣には、何やら真剣な顔をしている先輩のマネージャーさんが。

「本当に芸能界辞めるんですか。」
『……そうだよ。』

その瞬間、自分の顔が歪んだのがわかった。先輩は苦笑いしている。

『瀬名くん、私は後悔しないよ。瀬名くんもね。』

違う。

俺はそんなことを聞きにきたんじゃない。

ちゃんと言わなければいけないことがある。

「俺を縛っていた約束が無くなったなら、俺の気持ちを話しても良いですよね？」
『………うん。』

先輩のマネージャーは空気を読んだのか、控え室に戻っていった。

「俺は約束があったから仕方なく貴方のことを好きになったんじゃない。そのことをわかってますか？」
『え……？』

ほら、やっぱりわかってなかった。

「先輩、俺の話を聞いてください。」

＊・＊

どんどん展開が謎になってきている！？

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