episode 10 ページ11
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「先輩、お久しぶりですね。」
『いっ!……瀬名くん、だったよね。』
相手役は瀬名くん______いや、泉くん。
小さな頃、何度もモデルとして共演していた、姉弟みたいな関係の男の子。
だったのに、
目の前には、そんなことを感じさせないものすごい美形の青年がいた。
(すごい!かっこよくなってる!!)
勇気の無い私は、昔みたいに『いずみくん』って呼べなかった。
取って付けたみたいに『瀬名くん』って。
でも、仕方の無いことだった。
今の泉くんは、有名な"夢ノ咲学院アイドル科"を卒業した、大人気のスーパーアイドル。
私の手も届かない、すごい人になっちゃったんだから。
『瀬名くん、昔とすごい変わったね!』
「……そうですか?」
昔から生意気なガキって感じだったけど、今はすごく大人びてる。
ちょっと寂しい気もするけど、初めてのドラマの相手が泉くんで良かった。
なんて思ったいたら。
そのドラマは、かつて無いほどの大人気ドラマになった。
理由は、人気少女マンガの実写ドラマ化だったというのと、出演する俳優が豪華だったから。
泉くんは勿論、私もかなりの人気があったみたい。
そんなこんなで、私は一躍有名人となった。
それからはトントン拍子で仕事が決まっていった。
月に数回撮影があっただけのスケジュールは、大学に行くのが困難になるほど埋め尽くされ、ドラマの出演以依頼だけでなく、バラエティーなどにも出るようになった。
だから、浮かれていた。
仕事が楽しくて、仕事ができることが幸せだった。
全て遅かったことに気づいたのは、それから一年が経ったとき。
一年経っても私の仕事が減ることはなく、丸一日の休みなんて無いに等しかった。
別れよう。
大好き"だった"彼からメールが入ったのは、そんな時だった。
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アザレアを持ったねこ(プロフ) - 面白いですね!私もKnights好きです!箱推しじゃないんですけど…でもみんな好きです!良ければお友達に…|´-`)チラッ (2018年1月20日 4時) (レス) id: b01fa5b414 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御苑 | 作成日時:2018年1月18日 20時