ふたりぼっち 【増田俊樹】

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20時53分





場も盛り上がって来て、皆も出来上がってきてるところ。


だが…



増｢すいません、急用が出来たんで…抜けます｣



西｢えっ、急用？今から？｣

江｢ん？まっすー帰るの？｣

増｢…はい、すみません｣

江｢何かあったの？｣


増｢っー、いや…"大切"な……外せない用事なんで｣


江｢……そっか。気をつけてね｣



急いで出ようとすると
皆に質問されて、個室を出るのに少し時間がかかってしまった


そのため


針はもう、21時を指しかけていた。





会計は申し訳ないが、江口さん達に頼むことにして







少し重い引き戸を開けて



急いで外にでて。






Aちゃんを探す。




はぁはぁと、白い息が空に溶ける。




増｢っ、遅かった…？｣




時計を確認すると、21時02分


まだ、働いてる…？
それとも
早く帰った…？



待ったらいい？
走ったらいい？





増｢っ……あ〜、くそ……｣




わかんね。
どっちが正しいかなんて…






俺はこういうところが駄目なんだ

いざというときに役に立たない。







冷静になりたいのに冷静になれない。





この先にある坂道を下ったら、Aちゃんはいるのだろうか。




こんなチャンスは2度とない。
しかも、Aちゃんから助けを求めてくれた。






またここでも役に立てない奴になるのか？








そんなの嫌だ。







一か八か。







走ってやる。





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