entertainment-余興-9/J ページ9
体を宙に躍らせた化け物に、俺はとっさに後ろへと飛びずさった。
空中で大きく両腕を伸ばし、そのまま俺に向かって襲い掛かる。
口元からだらしなく銀の糸を床に垂らしながら、敵意をそのまなこに乗せて化け物はじっと俺を見つめている。
どうやって俺を追い詰めようか・・・
どうやって俺を捉えて
どこから食おうか・・・・・・
獰猛なその瞳から、そんな思いが見て取れた。
ふっと・・・・
背中に電流が走ったような
衝撃的な感覚に体が支配された。
それは
リーダーとニノから発せられる
静かな・・・・
それでいて
臓腑から噴き上がるような
激しい何か・・・・
・
・
溶けていく・・・・・
どこまでも2人溶けていく・・・・
青と金のコントラストが
何処までも重なり合って
混じり合って一つになっていく・・・
輝く瞳は
青と金
あり得ないリーダーとニノの姿に
それでも不思議と違和感は感じなかった。
あれが能力を使う
リーダーとニノの姿だ。
しっかりと理解できる自分がそこにいた。
そして
自分自身も
体を捩りたくなるような
熱に冒されて・・・・
「あ・・・・ぅ・・・ん・・・。」
短く喘ぐと、自分の体を思いっきり抱きしめた。
体じゅうを駆け巡る熱を閉じ込めるように
抱きしめる手に力を込める。
体の中をうごめきながら
何かが外に向かって溢れだしていく。
暴れ出しそうな感覚をねじ込んで
ゆっくりと瞳を開くと
頭は冴えわたり
気持ちは穏やかな水面のようで
不思議と
俺を食おうとしている化け物に
恐怖を感じることはなかった。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年4月11日 0時